日量50万バレル追加減産は追加になっていない!?

原油
著者:吉田 哲
原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反発などで。58.36ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,479.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は13,280元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年01月限は458.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで579.6ドル(前日比2.9ドル縮小)、円建てで1,995円(前日比0円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月6日 17時56分頃 先限)
 5,138円/g 白金 3,143円/g 原油 39,560円/kl
ゴム 198.2円/kg とうもろこし 23,200円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「日量50万バレル追加減産は追加になっていない!?」

今回は「日量50万バレル追加減産は追加になっていない!?」として、昨日の産油国の会合で言及された“日量50万バレルの追加減産”について書きます。

昨日行われたJMMC(共同閣僚監視委員会)は、JMMC後のOPEC総会に対し、50万バレルの追加減産を勧告しました。

2018年12月の総会で決定した日量120万バレルの削減量に、50万バレルを追加し、日量170万バレルの削減を行う、というものです。

JMMCがこれまでに公表してきたOPECプラス全体の減産順守率と、2018年12月にOPECが決定した現行の減産のルールから、以下のとおり、OPECプラスの原油生産量(減産免除国を除く)、減産基準量、120万バレル削減時の生産量の上限、50万バレル追加削減時の生産量の上限のグラフを作成しました。

日量50万バレルを削減するとなると、黄色の線の下の青い実践が生産量の上限になり、青色の実線を上回れば減産非順守、下回れば減産順守となります。

これによれば、50万バレルの追加減産を実施したとしても、今年3月から8月にかけての生産量の水準であれば、多くの月で減産順守になる計算です。

つまり、日量50万バレルの追加減産では、世界の石油の需給バランスを“現在以上に”引き締めることは、難しいと言えます。

“追加減産”という言葉に飛びついてはいけないと言えます。あるメディアでは、この点を“現在の減産の追認”と表現しています。

今晩、第7回OPEC・非OPEC閣僚会議が開催され、一応の決定事項を見ることになります。注目したいと思います。

図:OPECプラスの原油生産量(減産免除国除く) 単位:千バレル/日量
OPECプラスの原油生産量(減産免除国除く)

出所:OPECのデータより筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。