原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。58.91ドル/バレル近辺で推移。 金反発。ドルインデックスの反落などで。1,466.40ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は13,200元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年01月限は467.9元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで571.6ドル(前日比5.4ドル拡大)、円建てで1,969円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(12月9日 16時58分頃 先限) 金 5,096円/g 白金 3,127円/g 原油 40,010円/kl ゴム 196.2円/kg とうもろこし 23,500円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「“美しすぎる”追加減産の動機 追加減産の動機は美辞麗句だらけ」 今回は「“美しすぎる”追加減産の動機 追加減産の動機は美辞麗句だらけ」として、12月の会合で産油国のが追加減産で合意した表向きの動機について書きます。 OPECのプレスリリースには、以下の趣旨の説明があります。 ・OECDの石油在庫が過剰な状態にあるため、その削減のために減産幅の拡大が必要。 ・近年、米国を中心に非OPEC諸国の原油生産量の増加が目立つ中、これ以上、世界の石油の需給バランスが緩まないように、減産幅の拡大が必要。 ・世界景気に対するに大きな懸念があり、石油消費量の見通しが引き下げられている。過剰な在庫を積み上げない適正な供給を行うため、減産幅の拡大が必要。 ・COP25の考え方に準じる。持続可能な社会を目指すべく、CO2排出量を削減のため減産幅の拡大が必要。 これらの減産幅拡大の背景から、OPECプラスが、世界全体のエネルギー供給を管理する責を負っていることを自認していることがうかがえます。 世界の石油在庫、世界の石油の需給バランス、世界の石油消費量、そして世界の気候までも、OPECプラスが深く関わっていると考えているわけです。 世間は、OPECが世界全体に対してさまざまな面で大きな貢献をしてくれている、と受け止めるでしょう。そして、株式や通貨市場では「OPECプラスが減産幅拡大という予想を超えたサプライズ感をともなった決定をしてくれた」「事前予想では減産幅拡大は難しいという声があったが、見事に一連の会合で“原油相場の急落を避ける”内容で合意をしてくれた」と好意的に受け止めた参加者は少なくないと思います。 実際はどうなのでしょうか? 今回の会合においては、美しい表向きの印象と、数字などの詳細を見ないと見えてこない実態に、大きな乖離があると筆者は考えています。前回の「日量50万バレル追加減産は追加になっていない!?」で書いた50万バレルの追加減産の件が好例です。 図:2019年12月の産油国の会合での決定事項
出所:OPECの資料および各種報道をもとに筆者作成