ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は5~10トン。8月1日の価格はキロあたり57.90~58.56バーツ、RSS号タイ主要港9月積価格は212.0~216.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、7月10日時点7,711トン(前旬比378トン減)。

 7月上旬の入出庫は入庫880トン、出庫1,367トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅下落、上海ゴムは材料不明ながら週明けから大口の売りが入って主要な節目を割込むと週後半には買い方の投げ売りが入って中心限月は14,300元程度まで大幅安となる中で、OSEゴムにも大口売りが入って下げが加速、中心限月は一時313.0円まで売り込まれる場面があった。株式は下落、FRBの金利据え置きや相互関税発動を受けて利益確定売りが優勢、貴金属はドル高進行や銅価格急落の影響もあってか大幅下落の一方で原油は上昇、ドル円は日米金融政策の据え置きを受けて150円台半ばまで円安ドル高が進行している。

 8月1日のRSS3号12月限(中心限月)は終値315.0円、週高値334.8円、週安値313.0円。上海天然ゴム先物9月限は終値14,245、週高値16,035、週安値15,245であった。

 現物価格は322.0円程まで先物に連動して大幅安も円安が下げを一部緩和、RSS取引の増加が目立った。上海ゴム指定倉庫在庫は17.7万トン程に減少、引続き在庫取り崩しが続いている。OSEゴムは1-6番限が逆鞘に急転換、先限に売りが集まる一方、期近の売りはほとんど見られなかった。タイでは天候が徐々に安定化しており、先物急落を受けて在庫処分売りを急がせた可能性があるものの、TSR20の順鞘幅は縮小しており、割安圏では買いたい向きがいるようだ。輸入採算面では前週比で割安幅が拡大、主要産地の供給拡大は下押し材料として懸念されるものの、日中共に国内在庫消化が継続していることから、産地価格の変動に注意しながら割安圏では押し目買い方針で臨みたい。中心限月は310.0~330.0円を予想する。
みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
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