ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は不明。12月11日の価格はキロあたり55.50~56.00バーツ、12月12日のRSS号タイ主要港1月積価格は205.0~209.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、11月10日時点5,948トン(前旬比504トン減)。

 11月上旬の入出庫は入庫319トン、出庫823トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反発、上海ゴムは週明け以降じり高傾向となり11月の中国自動車生産が初めて350万台を突破する等の材料もあって、中心限月は15,300元程度まで値を切上げる中、OSEゴムもショートカーバーとみられる買いが先限月中心に入り上げ幅を拡大、中心限月は330円台を回復している。株式は概ね上昇、米国利下げと債券購入再開を受けてAI関連以外が幅広く買われる展開、商品はドル安進行の追い風を受けて貴金属中心に上昇も原油は下落、ドル円は155円台後半まで50銭強ではあるが円安ドル高が進行している。

 12月12日のRSS3号5月限(中心限月)は終値330.8円、週高値331.7円、週安値323.9円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,320、週高値15,325、週安値15,085であった。

 オファー価格は322円程に上昇、タイでは売りが一巡し先物市場連動で上昇、小幅円安も換算値を押し上げた。上海ゴム受渡可能在庫は5.7万トン程、指定倉庫在庫は10.6万トン程と共に増加傾向。OSEゴム1-6番限は順鞘6.9円に拡大も先限主導の上昇による影響が大きかった模様で指定倉庫在庫は減少傾向を維持している。主要産地では一部降雨が観測されるも洪水の悪影響は緩和に向かいつつあるとみられ、TSR20の限月間はフラット化しつつある。輸入採算面では期近以降も小幅ではあるが割安水準に転換し売り妙味は薄れつつあるが、上海ゴムが主導的な役割を果たしており上下双方向に注意が必要、来週は日銀による利上げがほぼ確実ではあるがドル円変動率も高まりそうであることから慎重に取引を進めたい。中心限月は320.0~340.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp