増加が鈍化!?米国の原油生産量の見通しが下方修正

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。58.86ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,477.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は13,250元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年02月限は466.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで536.2ドル(前日比0.7ドル拡大)、円建てで1,860円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月12日 17時9分頃 先限)
 5,138円/g 白金 3,278円/g 原油 40,040円/kl
ゴム 198.8円/kg とうもろこし 23,580円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「増加が鈍化!?米国の原油生産量の見通しが下方修正」

今回は「増加が鈍化!?米国の原油生産量の見通しが下方修正」として、今週、米エネルギー省(EIA)が公表した、月次の短期見通しに掲載された、米国48州の原油生産量の見通しについて書きます。

米国48州の原油生産量とは、同統計上、米国全体の原油生産量からアラスカとメキシコ湾を除いたものです。

今回取り上げるのは、2020年1月から12月までの見通しで、先月11月に公表された見通しと、今月公表された見通しを比較します。

以下のグラフのとおり、12月の米国の原油生産量の見通しは、11月時点よりも低い水準にあります。先月よりも見通しが引き下げられたわけです。

2020年12月の見通しは、11月時点では日量1084万バレルでしたが、12月時点では日量1077万バレルで、日量8万バレル下方修正されました。

対象とした12カ月間における月ごとの下方修正の幅は、最大で日量12万バレル、最小で日量7万バレル、12カ月平均で日量9万バレルでした。

この米国48州の原油生産量の8割以上は、米シェール主要7地区の原油生産量とみられます。

米国48州の原油生産量が増加することが見通されている、ということは、米シェール主要地区の原油生産量が増加することが見通されている、ということと、おおむね同じ意味ととらえてよいと思います。

ただ、2020年は2019年に比べて、増加する見通しであるものの、2020年は通年で見通しが下方修正されていますので、やや、米シェール主要地区の原油生産量の増加が鈍化する可能性が生じた、と言えそうです。

12月は11月に比べて比較的原油相場が高い水準にありますので、設備投資が加速して原油生産量が増加する見通しが出る可能性もあったと考えられますが、そうはならなかった、ということは、米シェールの開発活動が、鈍化しつつあるのかもしれません。

図:米国48州の原油生産量の見通し 単位:百万バレル/日量
米国48州の原油生産量の見通し

出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。