ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。8月22日の価格はキロあたり57.60~58.00バーツ、RSS号タイ主要港9月積価格は216.0~218.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、7月31日時点7,071トン(前旬比558トン減)。

 7月下旬の入出庫は入庫769トン、出庫1,327トン。

◆展開予想

 OSEゴムは小反落、上海ゴムは週前半に特段の材料ない中で売り物に押され急落する場面があったがその後は下げ渋る中、OSEゴムは上海ゴムに連れて週半ばに中心限月は一時310円まで売り込まれたものの安値圏では一定の買い気があり下げ止まると310円台後半まで下げ幅を縮小して引けている。株式は下落、主に米長期金利が高止まりする中で米株が利益確定とみられる売りに押され軟化、商品は貴金属・原油とも反発し上昇、ドル円も148円台半ばまで円安ドル高が進行している。

 8月22日のRSS3号1月限(中心限月)は終値316.8円、週高値322.9円、週安値310.0円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,625、週高値16,275、週安値15,505であった。

 現物価格は319.0円程、原料取引増加の兆しが見えるも製品取引量は減少、先物下落の影響もあってか小幅に下落した。上海ゴム指定倉庫在庫は17.8万トン程に小幅減少、短期の需要鈍化懸念は後退も動向に注意したい。OSEゴム1-6番限は逆鞘幅が拡大、国内在庫減少継続により期近の売り物が減少する中で売り物は先限中心であった。タイでは雨傾向が続くも価格上昇圧力が強まらず供給面の懸念は小さいと考えるが、TSR20の順鞘幅は縮小傾向にあることから来週の現物動向には注意が必要だろう。輸入採算面では期先中心に割安幅が縮小しており、上昇方向に転換するには外部環境の支援が必要、引続き上海ゴム・現物価格・ドル円の方向感の組合せを踏まえて割高安を見極めながら慎重に取引を進めたい。中心限月は310.0~330.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp