ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。9月19日の価格はキロあたり57.30~57.46バーツ、RSS号タイ主要港10月積価格は210.0~216.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月20日時点6,818トン(前旬比131トン増)。

 8月中旬の入出庫は入庫774トン、出庫643トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅続落、上海ゴムは週初高後に現物ヘッジ売りなのか1万枚強の大口新規売りが入り、中心限月は15,000元を割込む中で、OSEゴムも中心限月は週初の320円台から一時305.9円まで15円強値を切下げ大幅続落となった。株式は日米で上昇、米経済の減速が明確ではない中でFOMCでの利下げ決定と年内2回の追加利下げ見通しが示されリスクオンの動きが強まった。商品は貴金属が高値更新後に利益確定が入り横ばい、原油も横ばい、ドル円は日銀金利据え置きを受けて147円台後半まで小幅に円安ドル高が進行した。

 9月19日のRSS3号2月限(中心限月)は終値307.0円、週高値322.9円、週安値305.9円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,580、週高値16,105、週安値15,550であった。

 オファー価格は315.0円程に上昇も現物価格は小幅に下落、円安が換算値押上げ要因となった。上海ゴム指定倉庫在庫は15.5万トン弱に小幅増加、流通在庫は19万トン台だが受渡可能在庫は過去対比で低水準となっている。OSEゴム1-6番限の逆鞘幅は拡大、先限中心に売りが広がる中で、国内指定倉庫在の減少が確認されたこともあってか期近の売り物は極めて限定的であった。タイでは極端な悪天候は確認されず増産期入りしているとみられるが安値売りをする向きは限定的、TSR20の順鞘幅も縮小しており安値圏では一定の買い気が見受けられた。今週の下落で輸入採算面では割安幅が拡大し新規入着が難しい水準となりつつあるものの、上海ゴム動向次第では短期的には下落リスクに警戒が必要な場面だろう。中心限月は300.0~320.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp