ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~15トン。10月17日の価格はキロあたり54.07バーツ、RSS号タイ主要港11月積価格は198.0~200.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、9月20日時点5,880トン(前旬比197トン減)。

 9月中旬の入出庫は入庫663トン、出庫860トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅反落、上海ゴムは中国9月の自動車生産・販売が前月比で10%以上増加するも反応薄で週後半に小幅下落する中で、OSEゴムは週前半こそ先週からの勢いを引継ぎ上昇も週半ば以降は日米金利差縮小等の影響もあってか円高ドル安が進行し先限月に割高感が台頭すると、大口の売りが入って中心限月は一時304.0円まで値を切下げた。株式はまちまち、トランプ大統領が一部対中関税の引き上げを仄めかすなどプラス材料に乏しかった。商品は貴金属が大幅続伸も原油は下落、ドル円は149円台まで円高ドル安が進行している。

 10月17日のRSS3号3月限(中心限月)は終値304.1円、週高値313.6円、週安値304.0円。上海天然ゴム先物1月限は終値14,860、週高値15,055、週安値14,860であった。

 オファー価格は298.5円程に大幅下落、現物安と円高が重なり下げ幅が大きくなった。上海ゴム指定倉庫在庫は13.5万トンに減少、流通在庫も17.3万トン台に減少と在庫取り崩しが継続している。OSEゴム1-6番限は小幅に順鞘幅が縮小、売り物は先限に多く見受けられた。主要産地ではでは増産期の影響で成約量増加傾向が続くも、TSR20は逆鞘を維持しており安値圏での現物への引合いは想定以上とみられる中で、中国では年末にかけて在庫減少に伴う価格上昇圧力が高まる可能性があり今後の価格動向に注意が必要。国内は円高進行により輸入採算面では期近割安・期先割高となっており新規入着には至らないものの積極的な買いは見送る場面、上海ゴム・ドル円動向を踏まえながら慎重に取引を進めたい。中心限月は295.0~310.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp