[Vol.2162] ポピュリズムとハイテクが同時高を増強

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。65.14ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。5,192.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は17,125元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年04月限は483.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2897.3ドル(前日比2.80ドル拡大)、円建てで15,746円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月26日 18時03分時点 6番限)
26,978円/g
白金 11,232円/g
ゴム 374.5円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「ポピュリズムとハイテクが同時高を増強」
前回は、「『上がっている理由が分からない』怖さ」として、ETFおよび中央銀行をきっかけとした金(ゴールド)需要と金(ゴールド)価格の推移を、確認しました。

今回は、「ポピュリズムとハイテクが同時高を増強」として、ポピュリズムとハイテク(2010年ごろ拡大開始)のマイナス面による相乗効果を、確認します。

2010年ごろから目立ち始めた世界的な変化が株価指数の(実態を感じにくい)上昇を後押ししていることについて、述べます(ここで示す図は、少なくない個人投資家やメディア関連を含む市場関係者の方々より、「雑談の場」で、肯定的な意見をいただいているものです。随時、ブラッシュアップしています)。

筆者の身近にいる株の専門家は「株価は半年から1年先の思惑を織り込んで動いている」と述べています。このことから、株価が動く動機に「思惑」が含まれていることが分かります。

プラスの性質を持つ思惑は「期待」、マイナスの性質を持つ思惑は「懸念」です。思惑の影響を受ける株価指数が急上昇していることは、世の中で「期待」が膨張していることを示しています。

自動車、電子機器、気候変動対策、AIなど、世の中に、絶えず何らかの「期待を振りまく」テーマが存在し(資本家や権力者による創造)、それが世の中の期待を膨らませ、その期待が、株価指数を押し上げる、全体的でかつ大きな原動力になっていると考えられます。

そして、その期待を際限なく膨張させ、株価指数をさらなる高みに導いているのが、SNSやAIです。2010年ごろ以降、SNSやAIが、情報の受け手と発信者の関係に大きな変化をもたらしました。

その結果、流通する情報において「過程や本質を軽視する情報」や「人気取りを目的とした情報」が増え、世の中で、実態よりも思惑(期待・懸念)が優先される場面が急速に増えていました。

SNSとAIだけでなくドローンを含んだハイテク、そして思惑を操作して世の中に影響を及ぼすポピュリズム(大衆迎合)が、株価指数と金(ゴールド)相場に及ぼした影響は図の通りであると、筆者は考えています。

ハイテクとポピュリズムのマイナス面の相乗効果により、世界中の株価指数が示し合わせたように急騰すること、そして株価指数が急騰しても金(ゴールド)相場が上昇することは、必然だったのかもしれません。

図:ポピュリズムとハイテク(2010年ごろ拡大開始)のマイナス面による相乗効果
図:ポピュリズムとハイテク(2010年ごろ拡大開始)のマイナス面による相乗効果
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。