ペトロダラー体制の揺らぎは、米国覇権の揺らぎ

著者:菊川 弘之
ブックマーク
 NY金(4月限)は、早期米利下げ観測が後退する中、米長期金利の上昇基調を受けて売りが加速した。FOMCで、中東情勢の緊迫化に伴う原油高騰の影響を見極めるため、政策金利を2会合連続で据え置くことを決定。参加者の金利見通しは、年内1回の利下げ予想を維持。

 ただ、パウエルFRB議長は「インフレ鈍化が進展しなければ、利下げはない」と明言。早期利下げ期待の後退に加え、堅調な米経済指標を受け米長期金利の指標である10年債利回りが19日で急上昇すると、金の売りが活発化した。

 FRBをはじめ、日銀、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(中央銀行)などの主要中銀は今週、金融政策会合を開き、いずれも金利据え置きを決定。米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した原油高騰が続く中、インフレの上昇リスクを警戒し、利下げに対して慎重な姿勢を強めていることが金の売り要因となっている。

 前週末には、安値拾いの買いや中東紛争を背景とした安全資産としての金買いが入る場面もあったが、米政府高官が20日、米軍が数千人の海兵隊員および海軍兵士を追加派遣していると報じられ、売りが優勢となった。価格帯別出来高の厚い5000ドル~5200ドルが上値抵抗帯に変化。

 3月23日に長い下ヒゲで付けた安値(4100ドル)~心理的節目4000ドルが、当面の底値候補だ。

NY金(4月限)
NY金(4月限)
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

https://www.nsinvestment.co.jp/

http://market-samurai.livedoor.biz/