ペトロダラー体制の揺らぎは、米国覇権の揺らぎ

著者:菊川 弘之
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 ハ―メネイ最高指導者死亡によってイランに司令塔が存在しない状態下、3月8日、ハーメネイ最高指導者の次男であるモジュタバー・ハーメネイーが次期最高指導者として選出された。ただ、空爆で負傷が伝えられ、本人の姿が公になることはなく、生存さえも不確かな中、革命防衛隊のみこしに乗っているだけとの見方もあり、イランの最終意思判断・決定者が誰なのか分からず、外交交渉での取引が難しくなっている。

 トランプ米大統領は23日、米イスラエルとイランの戦闘終結に向け、イラン新体制と協議していると明らかにした。イランの発電所への攻撃を延期する意向も表明。一方、イラン側は交渉の事実を否定している。

 トランプ政権は、4月9日を戦闘終結の日に定め、今週にもパキスタンの首都イスラマバードで対面会合を開く方向で調整中とされる。パキスタンのシャリフ首相は24日、X(旧ツイッター)に、米国とイランの戦闘終結に向けた会合を主催する「準備ができている」と投稿した。

 トランプ大統領が、いくら短期で戦闘を収めようとしても、米国とイスラエルが、それぞれ求める今回の攻撃の着地点に大きく差があり、短期終結が見通せない。こういう状況だと小さな出来事が引き金となって中東全域への紛争拡大、ヨーロッパへも影響が拡大する可能性も残ったままだ。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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