[Vol.2193] 株安でも金(ゴールド)安が起きている

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。104.28ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,749.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は16,795元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年05月限は658.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2700.5ドル(前日比21.70ドル縮小)、円建てで14,672円(前日比34円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月13日 17時42分時点 6番限)
24,984円/g
白金 10,312円/g
ゴム -円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「株安でも金(ゴールド)安が起きている」
前回は、「だから株も金(ゴールド)も上昇し得る」と題して、2010年ごろ以降の株高・金(ゴールド)高の一因を、確認しました。

今回は、「株安でも金(ゴールド)安が起きている」と題して、S&P500種指数の10度のショック時の騰落率(NY金先物とともに 月間平均ベース)を、確認します。

投資家を含む市場関係者の一部では、現在も、金(ゴールド)価格が上昇すると株価が下落していると認識されています。しばしば、筆者自身、金(ゴールド)価格が上昇するシナリオを述べると「物騒なことを言うな」という趣旨の、やんわりとしたお叱りをいただくことさえあります。

今後数回に分けて、物語(ナラティブ)に左右されない、現代の金(ゴールド)相場の本当の姿に迫ります。

S&P500種指数(月間平均)の推移を確認すると、1980年1月から2026年3月にかけて、合計10回、価格が比較的大きく下落したタイミングがあります。○○危機や、△△ショックなどと呼ばれた急落時です。

価格(月間平均)の急落直前を起点、回復開始を終点とすると、ブラックマンデーは1987年10月から1987年12月まで、S&L(貯蓄貸付組合)危機+景気後退は1990年7月から1990年10月まで、ITバブル崩壊は2000年3月から2003年3月まで、リーマン・ショックは2007年10月から2009年3月まで、だと言えます。

また、欧州債務危機・米国格下げショックは2011年5月から2011年10月まで、チャイナショックは2015年5月から2016年2月まで、コロナ・ショックは2020年2月から2020年3月まで、インフレ・利上げショックは2022年1月から2022年10月まで、トランプ関税ショックは2025年2月から2025年4月まで、イラン戦争ショックは2026年2月から2026年3月(継続中)まで、だと言えます。

以下のグラフは、こうした1980年以降の10度のショック・危機と呼ばれた価格急落時の、S&P500種指数、そしてニューヨークの金(ゴールド)先物の騰落率を示しています。

2010年ごろ以前は、株安(S&P500種指数下落)時に、金(ゴールド)高が目立っていましたが、それ以降は、金(ゴールド)相場がそれほど上昇しない、あるいは株とともに下落する動きが目立っています。

おおまかには、2010年ごろ以前は、株の急落時に金(ゴールド)価格が上昇する傾向があったと言えますが、それ以降は、この傾向が弱くなっていると言えます。

図:S&P500種指数の10度のショック時の騰落率(NY金先物とともに 月間平均ベース)
図:S&P500種指数の10度のショック時の騰落率(NY金先物とともに 月間平均ベース)
出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。