[Vol.2214] ポテチの包装材が白黒、追熟バナナが不足

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化などで。102.31ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。4,545.62ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年09月限は17,690元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年07月限は680.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2566.37ドル(前日比3.73ドル縮小)、円建てで13,972円(前日比132円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月18日 18時47分時点 6番限)
23,935円/g
白金 9,963円/g
ゴム 417.2円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「ポテチの包装材が白黒、追熟バナナが不足」
前回は、「世界全体で民主主義後退・分断深化中」と題して、世界の自由民主主義指数(人口加重平均)について、述べました。

今回は、「ポテチの包装材が白黒、追熟バナナが不足」と題して、WTI原油(月間平均)と日本の原油輸入単価(2026年3月まで)について、述べます。

2月28日以降、ほぼ毎日、「ナフサ」という言葉を見聞きしています。米国とイスラエルがイランを攻撃してから軍事的攻撃の応酬が続き、ホルムズ海峡が事実上、封鎖されました。そのことが、一部のポテトチップスの包装材の色を白黒にしたり、追熟したバナナの流通量が減る懸念を大きくしたりしています。今回その経路と今後の見通しを述べます。

なぜ、一部のポテトチップスの包装材の色が白黒になったり、追熟したバナナが不足する懸念が生じたりしているでしょうか。これらは世の中の川下(≒部分)で起きている事象です。その直接的な原因である川中に、「ナフサ」の不足や価格高騰があります。

ポテトチップスの包装材に使われているインク、バナナを追熟する(緑→黄色に変化)ために使われているエチレンガスはいずれもナフサ由来です。

そして、一部のポテトチップスの包装材の色が白黒になったり、追熟したバナナが不足する懸念が生じたりしていることの間接的な原因であり、かつナフサの不足や価格高騰の直接的な原因である川上(≒全体)に、原油の不足や価格高騰があります。

以下のグラフは、その川上に位置する原油の価格高騰を示しています。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油価格は2026年2月から4月にかけておよそ1.5倍になりました。同年2月28日に勃発したイラン戦争の影響を強く受けた値動きです。

日本の原油輸入単価は、国際的な原油価格の指標の一つとされるWTI原油価格に追随するように、推移しています。日本の原油輸入単価は足元、3月分まで公表されています(5月17日時点)。4月、5月と大きく上昇したWTI原油につられ、今後公表される貿易統計を基に計算される原油輸入単価も大きく上昇する可能性があります。

将来的にWTI原油価格の高止まりが続いた場合、川中に位置する石油製品の一つ「ナフサ」の価格高止まり、引いては川下に位置する一部のポテトチップスの包装材の色が今まで以上に幅広い品で白黒になったり、追熟したバナナが不足する懸念が今まで以上に大きくなったりする可能性があります。

図:WTI原油(月間平均)と日本の原油輸入単価(2026年3月まで)
図:WTI原油(月間平均)と日本の原油輸入単価(2026年3月まで)
出所:財務省貿易統計およびInvesting.comのデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。