[Vol.2237] 光と影が生む「株高・金(ゴールド)高」

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。76.48ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,225.42ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は17,785元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年08月限は508.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2526.92ドル(前日比4.43ドル縮小)、円建てで13,765円(前日比162円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月19日 6時00分時点 6番限)
22,369円/g
白金 8,604円/g
ゴム 443.4円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「光と影が生む『株高・金(ゴールド)高』」
前回は、「逆相関から株・金(ゴールド)同時上昇へ」と題して、長期視点の金(ゴールド)市場を取り巻く環境について、述べました。

今回は、「光と影が生む『株高・金(ゴールド)高』」と題して、主要テーマ(一例)の1970年代と2020年代について、述べます。

前回、同一のテーマが株と金(ゴールド)、それぞれに別の文脈で影響を与え、その結果として、株と金(ゴールド)の長期上昇トレンドが生じていると述べました。前回は、同一のテーマに「通貨の供給量が急増すること」を挙げました。ここからは同一の別のテーマ「光が強く、影が濃くなること」について述べます。

以下の図は、いくつかの主要なテーマにおける1970年代と2020年代の意味の推移を示しています。例えば、宇宙開発、通貨供給、情報認識、人口動態について、1970年代は国威発揚、経済成長、実態重視、成長源泉などの意味がありました。

その半世紀後の2020年代に、国威発揚、経済成長、実態重視、成長源泉に加え、宇宙開発では投資主題、通貨供給では景気刺激、情報認識では思惑優先、人口動態では問題温床などの意味が浮き出てきました。

1970年代の意味は「光」だとすれば、2020年代の意味は、ある意味で「影」だと言えます。この半世紀で、世界には光と影が存在していること、が明確になったと言えます。しばしば耳にする「光あるところに、影がある」という言葉のとおりです。

「数が増えること」の意味についても大きな変化がありました。このこともまた、この半世紀で、世の中の光が強く、影が濃くなったことを示す例です。例えば1970年代、通貨の供給量や情報の流通量、世界の人口が増えることは、権威が大きくなったり、成長が促されたりするため、良いことだと考えられていました。

しかし、2020年代は、これらの数が増えることで、権威増・成長促進だけでなく、希薄化したり(薄まってしまったり)、実態が見えにくくなったりするケースが散見されるようになりました。

これらのことから、この半世紀で光はより強くなり、同時に影はより濃くなったと言えます。こうした社会的な大きな変革によって、強くなった光が期待をさらに増幅させて株高を、濃くなった影が懸念をさらに増幅させて金(ゴールド)高をもたらした可能性があります。

図:主要テーマ(一例)の1970年代と2020年代
図:主要テーマ(一例)の1970年代と2020年代
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。