[Vol.2241] 全需要の20%前後が中央銀行の保有増加分

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。71.85ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,093.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は17,605元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年08月限は486.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2462.3ドル(前日比25.10ドル縮小)、円建てで13,399円(前日比11円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月24日 17時47分時点 6番限)
21,659円/g
白金 8,260円/g
ゴム 439.1円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「全需要の20%前後が中央銀行の保有増加分」
前回は、「『戦略的資産』と『歴史的資産』」と題して、WGCの中央銀行調査における質問「なぜ金(ゴールド)を他の準備資産と分けて管理するのですか?(複数回答可)」の回答結果について、述べました。

今回は、「全需要の20%前後が中央銀行の保有増加分」と題して、中央銀行全体の外貨準備高の構成(2019~2025年の第3四半期)について、述べます。

前回、中央銀行の間で、金(ゴールド)は「歴史的資産」だけではなく、「戦略的資産」という認識が広がっていると、述べました。

歴史的資産は、言い換えれば「メインの資産の補助として(当たり前のように)持っているもの」ですが、戦略的資産は、何かあった場合に備え、積極的に保有する意味が強い資産です。

その意味で、中央銀行の間で、金(ゴールド)は、積極的な意図を持って保有する資産、という認識が広がっているといえます。こうした流れを反映してか、以下の図が示す通り、中央銀行全体として、外貨準備高に占める金(ゴールド)の割合が上昇しています。

2025年は金(ゴールド)の国際価格が大きく上昇した年であったため、大きく割合が上昇しましたが、それ以前の2019年から2024年においても、徐々に割合が上昇していたことを考えれば(戦略的資産と認識する中央銀行の増加が続いてきた可能性あり)、同割合の大幅上昇が金(ゴールド)の価格上昇だけが原因ではないと考えられます。

また、価格上昇自体が、「戦略的資産」を求める動きを加速させ、割合上昇の一因となった可能性もあります。

米ドルの構成比が大きく低下する中で、金(ゴールド)の構成比が大きく上昇した様子は、さながら、中央銀行全体の「米ドル離れ・金(ゴールド)寄り」であるといえます。

金(ゴールド)寄りの傾向は、2010年から始まっています。このことは、中央銀行による金(ゴールド)買い越し量の推移が示しています。

特に買い越し量が多くなった2022年以降、中央銀行による買い越し量は金(ゴールド)の全需要のおよそ20%に達しています。長期視点で市場に大きな資金を流入・流出させる投資家の例えである「クジラ」という言葉が当てはまります。

金(ゴールド)市場におけるクジラは、次回以降に述べる金(ゴールド)相場を長期視点で支える大変に重要な存在です。

図:中央銀行全体の外貨準備高の構成(2019~2025年の第3四半期)
図:中央銀行全体の外貨準備高の構成(2019~2025年の第3四半期)
出所:WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の資料を基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。