[Vol.2240] 「戦略的資産」と「歴史的資産」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.49ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,145.34ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は17,675元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年08月限は491.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2506.19ドル(前日比24.31ドル縮小)、円建てで13,584円(前日比44円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月23日 18時50分時点 6番限)
21,861円/g
白金 8,277円/g
ゴム 434.7円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『戦略的資産』と『歴史的資産』」
前回は、「『金(ゴールド)は戦略的資産』と認識」と題して、WGCの中央銀行調査における質問「外貨準備高管理の意思決定に関連するトピックは何ですか?(複数回答可)」の回答結果について、述べました。

今回は、「『戦略的資産』と『歴史的資産』」と題して、WGCの中央銀行調査における質問「なぜ金(ゴールド)を他の準備資産と分けて管理するのですか?(複数回答可)」の回答結果について、述べます。

ほとんどの中央銀行は外貨準備高の一部を金(ゴールド)で保有しており、その管理の仕方は他の資産と分けています。その理由を尋ねた問いへの回答結果が、以下の図です。中央銀行が金(ゴールド)を、どのような資産だと認識しているのかを知る、重要なヒントです。

ここで言う「歴史的資産」とは、Historical legacy asset、つまり、昔から持っている資産、伝統的な資産、長年保有してきた資産、長年持つべき資産、という意味です。一方、「戦略的資産」とは、Strategic asset、つまり、積極的かつ戦略的に保有する、地政学的リスクや制裁リスクへの備え、という意味です。

当該質問は複数選択可であるため、同一の中央銀行が金(ゴールド)を、歴史的資産であり、戦略的資産である、と認識しているケースもあります。

近年、中央銀行は全体として、金(ゴールド)を「戦略的資産」だと認識する傾向を強めています。「歴史的資産」という認識も根強いですが、それ以上に「戦略的資産」であると認識する中央銀行が増えていることが分かります。

中央銀行の間で「金(ゴールド)は戦略的資産」、という認識が広がりつつあることは、外貨準備高管理の意思決定に関連するトピックにおいて「地政学的リスク」を選択する中央銀行が増加していることと符合します。

図:なぜ金(ゴールド)を他の準備資産と分けて管理するのですか?(複数回答可)
図:なぜ金(ゴールド)を他の準備資産と分けて管理するのですか?(複数回答可)
出所:WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の資料を基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。