[Vol.2283] 「思ったよりも弱い」米国の雇用・物価

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。83.06ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米主要株価指数の反発などで。4,682.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。27年01月限は18,545元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年10月限は584.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,825.85ドル(前日比17.25ドル拡大)、円建てで14,969円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月25日 17時46分時点 6番限)
24,355円/g
白金 9,386円/g
ゴム 439.5円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『思ったよりも弱い』米国の雇用・物価」
前回は、「貴金属価格、1カ月で10%以上上昇」と題して、主要銘柄の騰落率(短期)(2026年7月13日と8月21日の終値を比較)について、述べました。

今回は、「『思ったよりも弱い』米国の雇用・物価」と題して、米国の政策金利の誘導目標が「3.75~4.00%」に引き上がる確率の推移について、述べます。

このおよそ1カ月間で起きた貴金属相場の上昇のきっかけの一つに、米国の金融政策を巡る市場の見方の変化が挙げられます。以下の図は、米国の政策金利の誘導目標について、現在の「3.50~3.75%」から「3.75~4.00%」に引き上がる確率の推移を示しています。

このデータは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が同所のFed Watchツールで公表しています。30日物フェデラル・ファンド(FF)金利先物の価格データに織り込まれている、FRBが金融政策を変更する確率です。

7月下旬まで、9月16日、10月28日、12月9日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げの確率が上昇していましたが、その後そろって低下しました。この動きは、米国で利上げの温度感が低下したことを意味します。

イラン戦争が勃発した3月を起点に5月まで、原油相場が100ドルを超えて高止まりしたことをきっかけに、米国では利上げ(引き締め)観測が高まっていました。しかし6月に入り、原油相場がやや反落したことを受けて、この観測は後退しました。この図はこれらの変化を示しているといえます。

原油相場がやや反落したことを受け、7月に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は事前予想より弱い結果がでました。8月に発表された米CPIは前回よりも弱い結果がでました。CPIのほか、生産者物価指数(PPI)なども、思ったよりも弱い結果が相次ぎました。

同時に、7月に発表された6月の米雇用統計、8月に発表された7月の米雇用統計は、いずれも前回よりも事前予想よりも弱い結果が出ました。米国の物価や雇用に関する指標の弱さは、同国の金融政策を緩和的な方向に導く傾向があります。

図:米国の政策金利の誘導目標が「3.75~4.00%」に引き上がる確率の推移
図:米国の政策金利の誘導目標が「3.75~4.00%」に引き上がる確率の推移
出所:CMEのFedWatch ツールより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。