[Vol.2267] 積み立て:疲れた時には「プラチナ」で

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化懸念などで。84.19ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米主要株価指数の反発などで。4,049.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年09月限は16,375元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年09月限は546.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2400.5ドル(前日比39.40ドル縮小)、円建てで13,082円(前日比118円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月31日 19時26分時点 6番限)
21,372円/g
白金 8,290円/g
ゴム 416.0円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「積み立て:疲れた時には『プラチナ』で」
前回は、「積み立て:短期下落・長期上昇で真価発揮」と題して、積み立てシミュレーション(保有数量)について、述べました。

今回は、「積み立て:疲れた時には『プラチナ』で」と題して、金(ゴールド)とプラチナ価格の推移について、述べます。

以下の図は、2000年以降の金(ゴールド)とプラチナの価格推移を示しています。両者は同じ貴金属でありながら、値動きには大きな違いがあります。

特に2015年のフォルクスワーゲン問題以降、その差は一段と鮮明になりました。金(ゴールド)は世界的な金融緩和や地政学的リスクの高まり、各国中央銀行による積極的な買いなどを背景に長期的な上昇トレンドを形成してきました。

一方、プラチナは同問題発覚以降、ディーゼル車向けの排ガス浄化装置向け需要への懸念などが意識され、長期間にわたって低迷しました。

こうした価格推移だけを見ると、「投資をするなら金(ゴールド)の方が良いのではないか」と考える人も少なくないでしょう。実際、これまでの実績だけを見れば、金(ゴールド)の方が大きな運用成果を残しています。

しかし、この数回で確認してきたように、「積立投資」で重要なことは、長期視点の価格のトレンドだけではありません。「保有数量を効率よく増やせるか」、そして「最終的な価格反発が期待できるか」という二つの条件を満たすことです。

この視点で考えると、長期間低迷してきたプラチナには積立投資との相性の良さが見えてきます。今後も低迷が続けば、毎月同じ金額でより多くの数量を購入できます。

そして、将来的に長期視点の価格反発が起きれば、低迷時に保有した多くの数量をもとに、資産額が大きく押し上がる可能性があります。これは、シミュレーションで示した「短期視点の価格下落による保有数量の増加」と「長期視点の価格反発による資産額の拡大」という積立投資の仕組みに重なります。

積立投資では、将来的な価格反発が期待でき、なおかつ保有数量を効率よく増やせる資産を選ぶことが重要です。長期間上昇を続けてきた金(ゴールド)ももちろん、今後も有望な対象ですが、長く低迷してきたプラチナは、積立投資ならではの数量効果を生かしやすい場面にあるといえます。

積立投資を続けていると、価格が思うように上がらず、不安や焦りを感じることがあると思います。しかし、そのような「積み立てに疲れた」と感じる時こそ、積み立ての真骨頂ともいえる「保有数量」に目を向けるべきです。

価格だけではなく保有数量にも目を向けることで、積立投資を通じた長期投資の見方は大きく変わります。そして、その考え方を実践する対象として、現在のプラチナは一つの有力な選択肢になり得ると、筆者は考えています。

図:金(ゴールド)とプラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス
図:金(ゴールド)とプラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス
出所:世界銀行のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。