NY金、ソーサーボトム上放れ

著者:菊川 弘之
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 更に、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は最新の報告データに基づき、世界の中央銀行が5月に金の買い越しに転じ、公的金準備は同月に41トン増加したと明らかにした。年初からの下げ相場の中で、中国を始めとする中央銀行は、効果的に押し目買いスタンスを継続している。

 中国人民銀行(中央銀行)は7月7日、6月の金の購入を継続し、20カ月連続の買い増しとなったことを公表した。今回の下げ局面では金ETFからの資金流出が観測される一方、下げ局面で、中国などの中央銀行の買いが拡大している状況だ。

 世界の覇権が英国から米国に移行するにつれ、金の価格決定権もロンドンの現物市場から米国の先物市場へ移行した。中国は長期国家戦略として、中央銀行による金保有の積み増しや、上海黄金交易所など現物取引市場の存在感を高めるなど、実物資産を重視する方向を強めている。実物を持つこと。資源を持つこと。製造能力を持つこと。金融インフラを持つこと。米中対立構図の中で、制裁を糧に中国は国家戦略として、これらを着実に進行させている。

 一方の米国は、ドル建てステーブルコイン(金の裏付けあり)などを通じて、世界中にドル需要と米国債需要を広げようとしている。建国250周年を迎えた米国は、軍事・最先端技術・文化・スポーツなどあらゆる面で歴史上最強となっているが、かつての絶対的な強さはなく、相対的には中国に追いかけられ、その力は拮抗する方向へ向かっている。米中覇権争いは、短期的に決着するようなものではなく、数十年単位での時間が必要だが、その流れの中で金(ゴールド)の重要性は更に増していく。

中国の金輸入量(2026年)

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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