米金利上昇で売られた安値は、中長期的な買い場(金相場)

著者:菊川 弘之
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 米金利引き上げ観測が高まりを見せてから、金相場は上値が抑えられてきたが、調整は元的となっている。
米金利上昇に対する金相場の反応は、「金利上昇⇒金価格下落」と言う反応から、「金利上昇⇒金利が高すぎて政府債務そのものへの不安が高まり、金が買われる」と言う流れに変化しつつある。金の持つ「安全資産としての顔」」が浮上している格好だ。

 過去の米利上げ局面と金価格の関係を見ると、利上げまでは金の上値が抑えられるものの、実際の決定で「知ったら終い」の反応を見せた。利上げが繰り返されるたびに、同様の反応を見せながら、利上げ最終局面では、利上げしても下げない流れとなり、利下げで上昇が本格化する動きが確認される。

 今後の米国の覇権やドル基軸通貨体制の揺らぎを見極めるうえにも注目された8月31日~9月1日のSCO(上海協力機構)首脳会議と、9月12~13日のBRICS首脳会談は、「ユーラシアの安全保障を話すSCO」から、「グローバルサウスの経済・金融・外交を動かすBRICS」へ議題を広げた流れとなった。SCOでは、中国とロシアを中心にユーラシアの安全保障とイラン問題が話し合われ、その後のBRICS会議では、開催国インドが中ロの間に立ち、議題を自国通貨決済、脱ドル、海上輸送、米イラン停戦へ広げた。SCOが安全保障の土台、BRICSが経済・金融・外交の実行舞台という流れだ。

 今回のSCOキルギス(ビシュケク)会議でのちビシュケク宣言では、SCO加盟国の「イランに対する支持」を明確に打ち出し、イラン周辺情勢について「重大な懸念」を表明した。ただし、前年の天津宣言より表現は抑えられ、米国とイスラエルを明確に名指しすることは避けた。これは、米中首脳会談を控えた中国やインドなど米国との関係も維持したい加盟国への配慮だ。米イラン停戦の水面下での交渉も破綻していない証左であろう。

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このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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