新型肺炎のOPEC総会への影響

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。47.73ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,649.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は11,235元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年04月限は368.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで732.05ドル(前日比3.75ドル拡大)、円建てで2,577円(前日比6円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(2月27日 19時18分頃 先限)
 5,825円/g 白金 3,248円/g 原油 34,990円/kl
ゴム 180.5円/kg とうもろこし 23,800円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「新型肺炎のOPEC総会への影響」

前回は「月初の15倍。中国以外の新型肺炎感染者増加数」として、WHO(世界保健機関)が毎日公表しているデータをもとに、中国以外の感染者について書きました。

今回は「新型肺炎のOPEC総会への影響」として、WHOが昨日公表した各地の感染者数のデータから、OPECプラスの感染者数を確認し、3月5日・6日のOPEC総会への影響を考えます。

新型肺炎の感染者が増えている国では、現在の日本がそうであるように、主要なイベントが延期・中止されるリスクがあります。

集団で濃厚接触が行われる機会があればあるほど、クラスター感染(小規模な集団感染)やその連鎖が起きやすくなると考えられます。

日本では、一部でクラスター感染と呼ばれる小規模な集団感染が起きたと言われており、そこで感染した人をきっかけに、別のクラスター感染が起きる、クラスター感染の連鎖が懸念されています。

このため日本では、イベントの自粛が要請されているわけです。

今、新型肺炎の感染は、世界中の幅広い地域で起きています。イベントの自粛は自国内だけでなく、国をまたいだメンバーが参加するイベントも同じだと言えます。

OPECのウェブサイト上に、OPECプラスの3月の総会が中止や延期になる旨の記載は、今のところありません。

しかし、以下の表の通り、OPECプラスの国において感染者が出始めていることがわかります。イランで行われた感染した当局者が行った会見に、驚いた人は少なくないと思います。

また、昨日、OPEC事務局があり総会が行われる場所であるオーストリアでも感染者が確認されました。

OPEC総会のプレスカンファレンスでは、多くの報道陣が会議場に一堂に会します。

感染を拡大させないために人の往来・接触を避けることを優先すれば、OPEC総会は中止や延期になる可能性はゼロではないと言えます。

図:中国以外の新型肺炎の感染者数(2月26日時点) 単位:人
中国以外の新型肺炎の感染者数(2月26日時点)

出所:WHO(世界保健機関)のデータをベースに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。