やはり、秋には元に戻る?新型コロナウイルス拡大後の中国の石油消費

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。32.92ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,585.70ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は10,540元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年05月限は267.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで789.1ドル(前日終値比19.4ドル縮小)、円建てで2,633円(前日終値比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(3月13日 19時10分頃 先限)
 5,372円/g 白金 2,739円/g 原油 26,380円/kl
ゴム 165.4円/kg とうもろこし 22,950円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「やはり、秋には元に戻る?新型コロナウイルス拡大後の中国の石油消費」

以前に「秋には元に戻るか?新型肺炎拡大後の世界および中国の石油の消費」として、EIA(米エネルギー省)が公表する短期見通しをベースに、中国の石油消費量において、1月に公表された見通しと2月に公表された見通しがどのように変化したのかについて書きました。

今回は「やはり、秋には元に戻る?新型コロナウイルス拡大後の中国の石油消費」として、1月に公表された見通しと2月に公表された見通し差に加えて、1月に公表された見通しと3月に公表された見通しの差を確認します。(一部実績値あり)

前提となる点は、1月に公表された見通しは、ほぼ、新型コロナウイルスの感染拡大による石油の消費減少は見込まれていないとみられる点です。

以下のグラフのとおり、引き下げ規模(量)と、最も引き下げられた月(タイミング)が異なります。

引き下げ規模(量)について、3月公表分との差で、日量200万バレルを超える下方修正がみられました。(2月時点)

2月時点の見通しとの差で最も大きな規模の下方修正は、日量50万バレル程度(3月時点)だったため、下方修正の最大幅がおよそ4倍になっています。

また、最も見通しが引き下げられた月は、3月から2月に修正されました。

これらの点より、2月は、2月時点でのEIAの想定よりも、3月に入って認識された実態の方が、はるかに状況が悪かったと言えます。

一方、2月時点の見通しと3月時点の見通しにおいて、秋ごろには1月の見通しの水準に戻るとした点は同じでした。

次回4月の短期見通しの公表は4月7日です。

この日に公表される短期見通しが、2月や3月時点の見通しからどのように変化したのか、また、秋ごろに1月の見通しの水準に戻る点について変化がないかに、注目したいと思います。

図:中国の石油消費量の見通しの増減(2月の見通し-1月の見通しと、3月の見通し-1月の見通し 一部実績値あり) 単位:百万バレル/日量
中国の石油消費量の見通しの増減

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。