王道の金投資

著者:近藤 雅世
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 World Gold Councilによれば、2019年の日本の金需要は世界第33位で、その表には33カ国しか書かれていない。それ程、日本は金投資の遅れた国である。価格が上昇すると、以前に買った金を貴金属買取ショップに持ち込む人が多く、日本は金の輸出国になっている。

 金の現物を持つと、何か魅せられたような魔力を感じるのは私だけであろうか。机の上に1億円の札束を見せられたとしても、18キロの金塊が積まれた方が迫力があると思う。筆者は香港で毎月せっせと2000香港ドル、約2万円を貯めて買った金のコイン10枚を、ポケットに入れた時のずっしり感が忘れられない。引っ越しの最中にどこかで失くしてしまったのは返す返すも残念である。

 数十年前、商社に勤務しているとき純金積立チームリーダーをしていたことがある。ある時、「毎月50万円貯めたいが、間違いないか」とご夫婦そろって来社されたお客様がいた。大金を預けるので大丈夫かどうか確かめに来られたのだ。私は間違いなくお預かり致しますので、安心して積み立ててくださいと返答した。今から思えば、このご夫妻の利殖は当時から今まで、他のどの債券や株式投資よりも高い利回りで回ったと思う。

 長い時間をかければ金価格は驚くほど上昇している。チャートは過去20年間の東京金価格である。金価格は2000年から約5.95倍になっている。20年で5.9倍強ということは、年利で9.4%の複利で運用しなければならないが、20年前に年利9.4%の複利の投資商品は無かったであろう。

 2000年1月初めの日経225株価は18,937円だった。2020年1月に24,116円をつけているが1.27倍に過ぎない。5.95倍の東京金価格とは比べものにならず、投資リターンの差は歴然としている。投資というと株とか投資信託を思い浮かべられがちだが、実は世界の投資の王道は、金投資なのである。

 出遅れた日本の金投資を是非とも是正し、日本人が金の輝きを愛でる日を見たいと思う。
 

 

 

 

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。
毎週月曜日週刊ゴールド、火曜日週刊経済指標、水曜日週刊穀物、木曜日週刊原油、金曜日週刊テクニカル分析と週間展望、月二回のコメを執筆。
毎週月曜日夜8時YouTubeの「Gold TV Net」で金と原油について動画で解説中(月一回は小針秀夫氏)。
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