WTI原油先物、驚異の上昇率、95%超

著者:吉田 哲
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原油反発。ドルインデックスの反落などで。34.02ドル/バレル近辺で推移。

金反落。主要株価指数の反発などで。1,721.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,325元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年07月限は274.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで826.5ドル(前日比22.7ドル縮小)、円建てで3,088円(前日比5円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(5月26日 18時54分頃 先限)
 5,975円/g 白金 2,887円/g 原油 26,160円/kl
ゴム 154.7円/kg とうもろこし 18,900円/t(とうもろこしのみ26日の終値)

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「WTI原油先物、驚異の上昇率、95%超」

今回は「WTI原油先物、驚異の上昇率、95%超」として、このおよそ1カ月間の原油相場の上昇について、書きます。

以下のグラフのとおり、この1カ月間の値動きを振り返ってみると、多くの銘柄が上昇したことがわかります。

金やプラチナも上昇しましたが、中でも原油の上昇が大きかったことがわかります。

原油のこの期間の騰落率は+95.3でした。この1カ月間で、価格が2倍弱になったわけです。他の銘柄に比べて、原油の上昇が目立った期間だったと言えます。

原油相場は、特に今年2月以降、主に、新型コロナとOPEC起因の材料で動いてきたと言えると思います。

3月6日の産油国の会合で減産終了が決定して下落しましたが、4月下旬以降は、OPEC減産と、新型コロナ起因の材料を、主な材料として、上昇していると考えられます。

また、ここ最近、さまざまな要人が“減産を強化する”と発言をしていますが、このような、減産への期待を増幅させる発言も、足元の価格上昇の一因になっていると考えられます。

現在、OPECプラスは減産を実施していますが、この5月の減産順守状況は、今月末から来月3週目にかけて公表されます。つまり、まだ、減産が順守されたかどうか、わかっていません。

減産への期待は大きいと思いますが、まだ実態を伴っていない点に、注意が必要だと思います。

とはいえ、期待で、価格が上昇する、という面もありますので、その意味では、5月の生産量が公表されるまでは、引き続き、期待で上値を伸ばすこともあると思います。

生産量のデータが公表され、OPECプラスが5月、各国そろって、減産順守を達成し、減産が実態をともなった場合は、原油相場は、大きく上値を伸ばす可能性があると思います。

この場合、WTI原油は、3月上旬の急落前の水準である、40ドル台を回復する可能性も出てくると、今のところ、考えています。

図:この1カ月の主要銘柄の騰落率(2020年4月24日と5月25日の終値を参照)
この1カ月の主要銘柄の騰落率(2020年4月24日と5月25日の終値を参照)

出所:各種情報より筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。