もとい。OPEC側10カ国、6月は減産順守

著者:吉田 哲
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原油反発。主要株価指数の反発などで。40.28ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,795.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,225元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は293.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで956.75ドル(前日比7.45ドル拡大)、円建てで3,336円(前日比29円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(7月1日 19時36分頃 先限)
 6,184円/g 白金 2,848円/g 原油 28,270円/kl
ゴム 154.0円/kg とうもろこし 23,400円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「もとい。OPEC側10カ国、6月は減産順守」

前回は「OPEC側10カ国、6月も減産順守ならず。しかし原油相場の強材料?①」として、昨日、海外主要メディアが公表した6月のOPEC側10カ国の原油生産量、そこから推計される減産順守率、および7月から9月の3カ月間で上乗せして削減する量について書きました。

今回は「もとい。OPEC側10カ国、6月は減産順守」として、昨日、海外主要メディアが公表した6月のOPEC側10カ国の原油生産量、そこから推計される減産順守率ついて書きます。

一昨日公表されたデータでは、減産非順守でしたが、昨日公表されたデータでは、減産順守でした。

一昨日のデータは配信元が、輸送を手掛ける業者だったとみられます。

以下は、昨日、同じ海外メディアが公表した6月のOPECの原油生産量です。5月分も掲載しています。

6月の、減産に参加しているOPEC側10カ国の原油生産量は、日量2016万バレルでした。5月比、日量181万バレルも、減少しました。

これにより、削減実績が日量652万バレルとなり、減産順守率は107%、つまり、減産順守となりました。

また、5月の減産順守率も74%から77%に上方修正されました。

6月は、サウジ、UAE、クウェート、アルジェリアの4カ国が減産を順守しました。

イラクとナイジェリアの減産順守率は、大きく改善しました。(引き続き非順守)

6月は5月に比べ、OPEC全体として、減産についてはよい材料が多かった、と言えます。

前回書いたとおり、5月と6月の減産未達分は、7月から9月までの3カ月間で、上乗せして削減することになっています。

OPEC側がこの調子で、今後もルールを順守して減産を続ければ、とりあえず“減産を守れないOPEC”と呼ばれることは、回避できそうです。

来週以降、EIA、OPEC、IEAなどの専門機関から、6月の原油生産量のデータが公表されますので、こちらも注目したいと思います。

図:減産を実施するOPEC内10カ国の5月と6月の減産の状況 単位:百万バレル/日量

出所:海外主要メディアのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。