[Vol.2201] 米国の原油輸出動向に関心が集まる

著者:吉田 哲
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原油反発。ホルムズ海峡を巡る情勢悪化などで。94.54ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,715.69ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は17,120元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年06月限は641.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2688.14ドル(前日比23.24ドル拡大)、円建てで14,579円(前日比55円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月23日 18時24分時点 6番限)
24,840円/g
白金 10,261円/g
ゴム 397.7円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「米国の原油輸出動向に関心が集まる」
前回は、「湾岸産油国の原油生産減少リスクも大きい」と題して、主要産油国の原油生産量を、確認しました。

今回は、「米国の原油輸出動向に関心が集まる」と題して、米国の原油戦略備蓄(SPR)の量を、確認します。

中東産原油の流通量が急減したり、世界全体として原油生産量が減少したり、こうした状況が長期化する懸念が大きくなる中、米国産原油に注目が集まっています。

足元、米国産原油を求めるタンカーが、喜望峰(南アフリカ)を回り、大西洋を渡り、メキシコとキューバの間に位置するユカタン海峡を通過してメキシコ湾に至るルートを通過していると報じられています。

また、「[Vol.2199] 中東産原油の多くが域内を出られない」で述べたとおり、喜望峰やユカタン海峡を通過したタンカーの数が、イラン戦争が勃発して以降、徐々に増加している様子を確認することができます。

EIA(米エネルギー情報局)のデータによれば、米国の原油輸出量は同戦争勃発後、増加傾向にあります。この流れが続けば、米国はすぐにでも、原油(石油や石油製品ではなく)の純輸出国になる可能性があります。

以下のグラフは、米国の原油の戦略備蓄(SPR)の量の推移を示しています。イラン戦争勃発後、程なくして増加していることが分かります。このことと、原油輸出量の増加には、関連があると筆者はみています。

戦略備蓄には、限りがあります。このため、同備蓄を放出し続けることはできません。短期視点で供給増加の一因になることはできても、懸念される長期視点の思惑を解消することは難しいでしょう。

図:米国の原油戦略備蓄(SPR)の量 単位:千バレル
図:米国の原油戦略備蓄(SPR)の量 単位:千バレル
出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。