OPEC側10カ国、6月も減産順守ならず。しかし原油相場の強材料?①

著者:吉田 哲
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原油反落。主要株価指数の反落などで。39.16ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,783.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,180元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は292.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで953.7ドル(前日比0.7ドル拡大)、円建てで3,322円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月30日 19時48分頃 先限)
 6,138円/g 白金 2,816円/g 原油 27,620円/kl
ゴム 154.5円/kg とうもろこし 22,740円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「OPEC側10カ国、6月も減産順守ならず。しかし原油相場の強材料?①」

前回は「破綻は連鎖するか、チェサピーク・エナジー、連邦破産法11条の適用を申請」として、同社の破綻に関連し、米シェール主要地区の開発関連指標と原油価格の動向について書きました。

今回は「OPEC側10カ国、6月も減産順守ならず。しかし原油相場の強材料?①」として、昨日、海外主要メディアが公表した6月のOPEC側10カ国の原油生産量、そこから推計される減産順守率、および7月から9月の3カ月間で上乗せして削減する量について書きます。

今後の原油相場を見る上でのポイントはいくつかありますが、なかでも、原油の生産面に注目しています。

生産については、OPECプラスの協調減産、米国の原油生産、という大きな2つのテーマがあります。

この2つのテーマ、どちらも、目先、原油生産量を減少させる要因になると、筆者は考えています。

これらのテーマにおいて、生産量の減少が進めば、原油市場の需給バランスを引き締める一因になります。

OPECプラスの協調減産については、5月から再開しています。

5月のデータに加え、速報ベースのデータですが、海外メディアが昨日、6月のOPECの原油生産量を公表しました。

これによれば、OPECの中でも減産に参加している10カ国の、6月の原油生産量は日量2215万バレルでした。

減産の基準から、日量453万バレル、削減をしたことを意味します。

削減予定量が日量608万バレルですので、減産順守率は74.5%と推定され、減産非順守、だった可能性があります。

次回以降、減産非順守でも、原油相場の強材料になり得る点について、書きます。

図:減産を実施するOPEC内10カ国の5月と6月の減産の状況 単位:百万バレル/日量


出所:海外主要メディアのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。