完全回復せず!?2020年下半期の米国の石油消費見通し

著者:吉田 哲
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原油反落。主要株価指数の反落などで。38.70ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,813.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,495元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年08月限は292.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで959.95ドル(前日比3.05ドル拡大)、円建てで3,376円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(7月10日 19時38分頃 先限)
 6,211円/g 白金 2,835円/g 原油 27,710円/kl
ゴム 156.5円/kg とうもろこし 23,460円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「完全回復せず!?2020年下半期の米国の石油消費見通し」

前回は「まだ不安定!?2020年下半期の中国の石油消費見通し」として、今月公表されたEIAのデータから、2020年下半期の中国の石油消費見通しについて、書きました。

今回は「完全回復せず!?2020年下半期の米国の石油消費見通し」として、前回まで参照したEIAのデータから、2020年下半期の米国の石油消費見通しについて、書きます。

同データによれば、米国の石油消費量は2020年6月時点で、日量1751万バレルで、世界全体の19.6%です。

この米国の石油消費量の見通しは、世界全体、そして中国と同様、今年12月にかけて回復していくことが見通されています。

12月の値について、7月公表分は6月公表分よりもやや増加し、5月公表分とほぼ同様になりました。

これらの動きより、状況が急変しない限り、米国の石油消費量が12月にかけて増加する、という見通しはほぼ固まった、と言えると思います。

とはいえ、12月の値については、新型コロナ拡大前に作成された見通しである3月公表分よりも、7月、6月、5月、いずれも低い水準であることがわかります。

コロナ前の想定に届かないことが見通されていることは、世界全体、中国の見通しと同じです。

この見通しは、7月公表分までです。見通しは、諸情勢によって変化します。

特に、感染拡大が目立っている“サンベルト”と呼ばれる米国南部のカリフォルニア、テキサス、フロリダなどで、再びロックダウンなどという事になれば、再び、石油消費見通しは下方修正される可能性があります。

引き続き、米国国内の感染状況と、同国の感染状況に、注視が必要です。

図:米国の石油消費量の見通し 単位:百万バレル/日量
米国の石油消費量の見通し

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。