今年のNY金価格とダウ平均株価の関係

著者:近藤 雅世
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 一般的に、ドル建て金価格とダウ平均株価は逆相関であると思われている。なぜなら1987年のブラックマンデーでダウ平均株価が暴落したとき、金など商品をポートフォリオに入れていたファンドのパフォーマンスは株や債券のみで運用していたファンドと大きな差がでた。以来、ファンドは金をポートフォリオに15%程度まで入れている。

 それはその後の金融危機や幾度かのNY株価の一時的暴落時に金価格がセイフヘイブンとして上昇し、株価の損失を補ってきたという歴史がある。当然、新型コロナウィルスという世界経済に大きなダメージを与えている事象に対して、金価格は上昇して株価の損失を補っているだろうと思って、グラフ化してみたら、何のことはない、今年はダウ平均株価も3月までの下落を別にすれば、金価格同様に上昇していることがわかった。それが、先週のこのブログで書いた米国株価の動きはおかしいという感覚に結びついている。

 金価格は新型コロナウィルスの発現を受けて春先から上昇し始め、一方NY株価は4月にかけ急落している。金価格が3月に下落したのは、それまで買っていたファンドが手仕舞い売りをしたためだが、その後再び金価格は上昇し、8月7日に過去最高値野2089.2ドルをつけている。

 過去15年間のNY金価格とダウ平均株価の相関を調べてみると、逆相関が8年、順相関が7年であった。昨年と今年は順相関である。つまり、いつもNY金とNY株価は逆相関しているわけではないということであった。

2020年のNY金価格とダウ平均株価(相関係数0.20)

NY金価格とダウ平均株価の相関係数

 

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。
毎週月曜日週刊ゴールド、火曜日週刊経済指標、水曜日週刊穀物、木曜日週刊原油、金曜日週刊テクニカル分析と週間展望、月二回のコメを執筆。
毎週月曜日夜8時YouTubeの「Gold TV Net」で金と原油について動画で解説中(月一回は小針秀夫氏)。
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