原油固有の上昇要因:OPECの原油生産量が低水準

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。47.79ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,868.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,380元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年02月限は301.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで811.15ドル(前日比4.85ドル縮小)、円建てで2,721円(前日比26円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月16日 19時6分頃 先限)
6,205円/g 白金 3,484円/g
ゴム 239.8円/kg とうもろこし 24,760円/t

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油固有の上昇要因:OPECの原油生産量が低水準」

前回は、「“バイデン・ワクチン”相場が終わっても、原油価格は上昇中」として、12月8日(火)から14日(月)にかけての、各種銘柄の騰落率を確認しました。

今回は、「原油固有の上昇要因:OPECの原油生産量が低水準」として、OPECの原油生産量について書きます。

11月に発生した、期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”は、12月に入り勢いが弱まっているとみられます。このような状況の中でも、原油相場が上昇しているのは、原油固有の上昇要因があるためと、考えられます。

今回より、数回に分けて、足元の原油固有の上昇要因について書きます。今回は、OPECの原油生産量についてです。

12月13日にOPECが月報で公表した先月11月のOPECの原油生産量は日量2510万バレルでした。

この水準は、以下のグラフのとおり、減産再開直前(2020年4月)の日量2830万バレルよりも、協調減産が始まった2017年1月の日量3200万バレルよりも、大幅に少ない水準です。

今年5月の減産再開の際、大きな削減目標を課し、それを順守するべく、生産量が大きく減少しています。この点は、原油固有の上昇要因として挙げられると思います。

また、2021年1月の削減幅について、現在の協調減産のルールを決めた今年4月の総会で、12月よりも日量200万バレル少なくする(減産を緩和する)ことで合意していましたが、先々週の総会で、少なくする量を日量50万バレルにとどめました。

削減幅は、1月以降毎月、日量50万バレルの範囲で見直されることとなったため、順次、削減量が縮小する可能性はありますが、それでも、日量200万バレルもの大規模な減産緩和が、すぐさま行われることが避けられたことは、市場に一定の安心感を与えたとみられます。

このようなOPECの動向が、主要株価指数を含めた11月に急上昇した銘柄が、12月に入り軟調に推移する中でも、原油相場が上昇している一因になっていると、筆者は考えています。

次回以降、米シェール主要地区の原油生産量について書きます。

図:OPECの原油生産量 単位:千バレル/日量


出所:OPEC(石油輸出国機構)のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。