“バイデン・ワクチン”相場が終わっても、原油価格は上昇中

著者:吉田 哲
原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。47.15ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,849.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年05月限は14,610元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年02月限は300.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで823ドル(前日比6.5ドル拡大)、円建てで2,789円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月15日 19時59分頃 先限)
6,183円/g 白金 3,394円/g
ゴム 245.0円/kg とうもろこし 24,670円/t

●WTI原油先物(期近) 日足 (単位:ドル/バレル)
WTI原油先物(期近)

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「“バイデン・ワクチン”相場が終わっても、原油価格は上昇中」

前回は、「テキサス州の米国の石油産業への貢献②」として、EIA(米エネルギー省)が公表している統計から、米シェール主要7地区の地区別の原油生産量について書きました。

今回は、「“バイデン・ワクチン”相場が終わっても、原油価格は上昇中」として、12月8日(火)から14日(月)にかけての、各種銘柄の騰落率を確認します。

以下のグラフは主要株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産の4つのジャンルの中から、主要な17銘柄を抽出し、騰落率をランキング化したものです。

17銘柄中、6銘柄が上昇、11銘柄が下落しました。このうち原油は上昇銘柄で、この1週間の騰落率は+3.0%でした。

下落した銘柄に注目すると、NYダウ、ナスダックといった米国の株価指数、DAX(ドイツ)、FTSE100(英国)といった欧州の株価指数、そして上海総合指数といった中国の株価指数があります。

これらはいずれも、11月に発生した“バイデン氏”そして“ワクチン”に強い期待が寄せられ、ジャンルを横断した幅広い銘柄に好ムードが覆った“バイデン・ワクチン相場”時に上昇した銘柄たちです。

足元や将来の景気動向の良し悪し示すとされる株価指数が、幅広く一斉に下落したことを考えれば、もはや“バイデン・ワクチン相場”は終了している可能性があります。

そして、同相場が終了している可能性があるものの、原油相場は上昇しているわけです。

原油市場には、上昇要因と下落要因が、ともに存在していると考えられます。こうした状況の中、原油相場が上昇しているのは、上昇要因のインパクトが下落要因のインパクトを相殺しているためだと、考えられます。

また、原油に関連する材料を、原油固有と周辺材料に分けて考えることも重要です。“バイデン・ワクチン相場”が存在していたころは、「周辺材料」に強い上昇要因があった、わけです。

足元、上昇要因で目立つのは、原油固有の材料の、OPECの原油生産量が低水準であること、米シェ―ル主要地区の原油生産量が減少していることなど、です。次回以降、これらの詳細を述べます。

図:12月8日(火)から14日(月)の主要銘柄の騰落率
12月8日(火)から14日(月)の主要銘柄の騰落率

出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。