週刊石油展望

著者:三浦 良平
 先週末のWTI原油は前週比 2.97高の51.11ドル、ブレント原油は同3.52ドル高の54.69ドルとなった。

 年末の原油マーケットは、EIA統計で原油在庫が予想以上に減少していたことが好感されたほか、コロナワクチンの普及で経済活動が正常化に向かうとの期待感から株高・ドル安推移したことも支えとなり続伸。その後も、年明けのOPECプラスの閣僚級会合を控えて堅調に推移した。

 年明け4日は、序盤こそイランの濃縮ウランの製造再開発表で中東の地政学リスクが意識され直近高値を更新し上値を切り上げたものの、その後は戻り売りに押される展開で下落となる。期待されたOPECプラス合同閣僚委員会にて2月の減産幅を決定できなかったことや、ジョージア州での米議会上院の決選投票を控える中で米株式が調整売りに押されたことなどが重しとなった模様。翌5日、ロシアやカザフスタンが小幅に増産する一方、サウジアラビアが2~3月に日量100万B程度の自主的な減産を行い、OPECプラス全体としては現状の生産量を維持する格好となったことが好感され大幅反発となる。また、イランによる韓国商船の拿捕や濃縮ウランの製造再開なども材料視された。その後、6~7日にかけても、引き続きサウジアラビアが自主的減産方針を示したことが材料視され続伸、EIA統計において原油在庫が予想以上に減少(予想:-269万B→結果:-801万B)していたことも好感され堅調な推移となった。また、ジョージア州の上院決選投票において民主党が2議席を確保し上下両院の過半数を同党が制する見通しとなったことから、追加経済対策やインフラ投資拡大への期待感が高まったことも支えとなった。



 先週の上昇でWTIがついに50ドル台に乗せ、2020年2月以来の水準を回復した。急ピッチの上昇で、一旦調整売りが入る可能性はあるが、押し目は材料的にも買われやすい環境で、新型コロナウイルスのワクチン接種開始、OPECプラスにおけるサウジアラビアの自主減産表明、米株高・ドル安傾向の継続、イラン発(韓国籍タンカーの拿捕、濃縮ウランの製造再開)の地政学的リスク等が挙げられる。また、テクニカル面での抵抗がなく目先はどこまで上値を試すのかが焦点となり、値位置を切り上げる可能性が高そうだ。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。