原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。52.53ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,842.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,665元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年03月限は334.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで736.4ドル(前日比3.6ドル縮小)、円建てで2,508円(前日比2円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(1月19日 18時8分頃 先限)
金 6,179円/g 白金 3,671円/g
ゴム 238.0円/kg とうもろこし 27,690円/t
●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足 (単位:ドル/ブッシェル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「穀物の主要輸出国で、供給障害を引き起こす要因が複数、発生中」
前回は、「穀物3銘柄が大きく上昇、主要株価指数と暗号資産は下落」として、先週1週間の各ジャンルの主要25銘柄の騰落率を振り返りました。
今回は、「穀物の主要輸出国で、供給障害を引き起こす要因が複数、発生中」として、足元の、穀物価格の上昇要因について、筆者の考えを述べます。
昨年3月に発生した“新型コロナ・ショック”以降、世界の主要国の株価指数が示す、主要国の景気動向のおおまかな流れは上向き、それに乗じて、銅などの非鉄、金やプラチナなどの貴金属、原油など、さまざまなコモディティ(商品)価格が上昇してきました。穀物も例外ではありません。
特に先月12月以降、穀物3銘柄(トウモロコシ、大豆、小麦)の上昇率は、主要株価指数の一つであるNYダウを上回っています。12月以降の穀物市場では、株価指数の上昇によるムードの改善以外に、穀物特有の上昇要因が目立ち始めています。具体的には次のとおりです。
(1)米国:2020年産トウモロコシと大豆の生産高および期末在庫見通しを下方修正
(2)ブラジル、アルゼンチン:穀物の生育期にあって、天候不順(乾燥)が続いた
(3)アルゼンチン:穀物関連企業の従事者によるストライキが発生
(4)アルゼンチン:トウモロコシ輸出を一時停止(3月1日まで)
(5)ロシア:小麦の輸出税の設定を明言(2月中旬以降から6月まで)
(6)中国:米国産トウモロコシの輸入が統計史上最高
(7)グローバル:ラニーニャ現象、新型コロナなどの地球規模の混乱で食糧供給懸念浮上
以下の表は、トウモロコシ、大豆ミール(粕)、大豆油、小麦の輸出量の上位国とシェアです。大豆ミール(粕)と大豆油は、大豆を圧搾して得られる大豆製品です。大豆ミール(粕)はタンパク質が豊富であるため、主に加工食品や魚粉や他の穀物などと配合して家畜のエサに、大豆油は植物由来の油として、サラダ油やマヨネーズ、マーガリンなどに用いられます。
昨年12月以降に目立ち始めた上昇要因で、供給障害を引き起こす要因を抱える国として名前が挙がった、米国、ブラジル、アルゼンチン、ロシアが、各品目の輸出シェア上位に名を連ねています。足元の穀物価格の上昇の一因に、主要輸出国における供給不安が挙げられるわけです。
中でも、トウモロコシの輸出シェア2位、大豆ミール(粕)および大豆油の輸出シェア1位のアルゼンチンは、インフレが深刻化している中、新型コロナの感染が拡大し、情勢の悪化に歯止めがかかっていません。穀物関連企業の従事者によるストライキも、このような難しい情勢が原因とみられます。
同国のトウモロコシ輸出の一時停止措置については、経済を回復させるための措置の一環で、国内で飼育する家畜を生育するためのコストを削減することを目的としていると、報じられています。
また、ロシアは2月中旬以降から6月まで、小麦の輸出税を設定するとしています。国内の食品価格の上昇を抑えるため、と報じられています。アルゼンチンも、ロシアも、国内情勢の安定化を目的として、自国から穀物をできるだけ放出しない策を講じていると言えそうです。
各国、さまざまな事情があるわけですが、“穀物流通における自国優先”が目立った場合は、穀物価格の上昇の一因になり得ます。ロシアの小麦の輸出関税の設定は2月中旬以降から6月まで、アルゼンチンのトウモロコシ輸出の一時停止は3月1日までと報じられています。穀物流通における自国優先はまだ続くとみられます。
図:トウモロコシ、大豆ミール(粕)、大豆油、小麦の輸出シェア上位国(2019年度)
出所:USDA(米国農務省)のデータより筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,842.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,665元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年03月限は334.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで736.4ドル(前日比3.6ドル縮小)、円建てで2,508円(前日比2円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(1月19日 18時8分頃 先限)
金 6,179円/g 白金 3,671円/g
ゴム 238.0円/kg とうもろこし 27,690円/t
●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足 (単位:ドル/ブッシェル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「穀物の主要輸出国で、供給障害を引き起こす要因が複数、発生中」
前回は、「穀物3銘柄が大きく上昇、主要株価指数と暗号資産は下落」として、先週1週間の各ジャンルの主要25銘柄の騰落率を振り返りました。
今回は、「穀物の主要輸出国で、供給障害を引き起こす要因が複数、発生中」として、足元の、穀物価格の上昇要因について、筆者の考えを述べます。
昨年3月に発生した“新型コロナ・ショック”以降、世界の主要国の株価指数が示す、主要国の景気動向のおおまかな流れは上向き、それに乗じて、銅などの非鉄、金やプラチナなどの貴金属、原油など、さまざまなコモディティ(商品)価格が上昇してきました。穀物も例外ではありません。
特に先月12月以降、穀物3銘柄(トウモロコシ、大豆、小麦)の上昇率は、主要株価指数の一つであるNYダウを上回っています。12月以降の穀物市場では、株価指数の上昇によるムードの改善以外に、穀物特有の上昇要因が目立ち始めています。具体的には次のとおりです。
(1)米国:2020年産トウモロコシと大豆の生産高および期末在庫見通しを下方修正
(2)ブラジル、アルゼンチン:穀物の生育期にあって、天候不順(乾燥)が続いた
(3)アルゼンチン:穀物関連企業の従事者によるストライキが発生
(4)アルゼンチン:トウモロコシ輸出を一時停止(3月1日まで)
(5)ロシア:小麦の輸出税の設定を明言(2月中旬以降から6月まで)
(6)中国:米国産トウモロコシの輸入が統計史上最高
(7)グローバル:ラニーニャ現象、新型コロナなどの地球規模の混乱で食糧供給懸念浮上
以下の表は、トウモロコシ、大豆ミール(粕)、大豆油、小麦の輸出量の上位国とシェアです。大豆ミール(粕)と大豆油は、大豆を圧搾して得られる大豆製品です。大豆ミール(粕)はタンパク質が豊富であるため、主に加工食品や魚粉や他の穀物などと配合して家畜のエサに、大豆油は植物由来の油として、サラダ油やマヨネーズ、マーガリンなどに用いられます。
昨年12月以降に目立ち始めた上昇要因で、供給障害を引き起こす要因を抱える国として名前が挙がった、米国、ブラジル、アルゼンチン、ロシアが、各品目の輸出シェア上位に名を連ねています。足元の穀物価格の上昇の一因に、主要輸出国における供給不安が挙げられるわけです。
中でも、トウモロコシの輸出シェア2位、大豆ミール(粕)および大豆油の輸出シェア1位のアルゼンチンは、インフレが深刻化している中、新型コロナの感染が拡大し、情勢の悪化に歯止めがかかっていません。穀物関連企業の従事者によるストライキも、このような難しい情勢が原因とみられます。
同国のトウモロコシ輸出の一時停止措置については、経済を回復させるための措置の一環で、国内で飼育する家畜を生育するためのコストを削減することを目的としていると、報じられています。
また、ロシアは2月中旬以降から6月まで、小麦の輸出税を設定するとしています。国内の食品価格の上昇を抑えるため、と報じられています。アルゼンチンも、ロシアも、国内情勢の安定化を目的として、自国から穀物をできるだけ放出しない策を講じていると言えそうです。
各国、さまざまな事情があるわけですが、“穀物流通における自国優先”が目立った場合は、穀物価格の上昇の一因になり得ます。ロシアの小麦の輸出関税の設定は2月中旬以降から6月まで、アルゼンチンのトウモロコシ輸出の一時停止は3月1日までと報じられています。穀物流通における自国優先はまだ続くとみられます。
図:トウモロコシ、大豆ミール(粕)、大豆油、小麦の輸出シェア上位国(2019年度)
出所:USDA(米国農務省)のデータより筆者作成