穀物3銘柄が大きく上昇、主要株価指数と暗号資産は下落

著者:吉田 哲
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原油反落。米国の主要株価指数の反落などで。52.33ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,829.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年05月限は14,770元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年03月限は333.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで745.05ドル(前日比5.05ドル拡大)、円建てで2,531円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月18日 18時49分頃 先限)
6,121円/g 白金 3,590円/g
ゴム 242.5円/kg とうもろこし 27,400円/t

●NY金先物(期近) 日足 (単位:ドル/トロイオンス)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「穀物3銘柄が大きく上昇、主要株価指数と暗号資産は下落」

前回は、「“株安・金安”が起き得ることを認めることが重要」として、筆者が考える、金投資家がスキルアップするために必要な条件について、書きました。

今回は、「穀物3銘柄が大きく上昇、主要株価指数と暗号資産は下落」として、先週1週間の各ジャンルの主要25銘柄の騰落率を振り返ります。

先週は、穀物の上昇が目立ちました。複数のジャンル(主要株価指数、通貨、コモディティ、暗号資産)を横断した主要25銘柄において、穀物銘柄が上昇率1位から3位を占めました。トウモロコシは+6.8%、小麦は+5.8%、そして大豆は+2.7%でした。

穀物銘柄の上昇は、先週、USDA(米農務省)が先週公表した需給見通しにおいて、2021年の生産高や在庫の見通しを引き下げたことが一因と考えられます。その他、週次ベースの米国の穀物輸出に関わる統計において、輸出の堅調さが示されたことも、一因とみられます。

一方、下落が目立ったのは、上海総合指数、NYダウ、ナスダック、ドイツDAX、イギリスFTSE100といった欧米中の主要株価指数、そして、イーサリアム、ビットコインといった暗号資産でした。

欧米では、ワクチン接種が始まって2カ月が経過しようとしているものの、新型コロナウイルスの感染拡大が収まっておらず、かつ、変異種の確認が相次いでいます。株式市場は、このような点をマイナス材料の一つと受け止めているとみられます。

また、暗号資産は、今月初旬までおよそ半年間続いた急上昇相場が一巡しつつあります。株式相場や景気動向に比較的敏感なコモディティ(商品)の価格が上昇しにくくなっていることなどを受け、全体的にリスクオフ(リスクを回避しようとするムード)が強まり、暗号資産も利益確定の売りが出やすくなっていると、考えられます。

先週は、上昇銘柄数が9、下落銘柄数が16、最大と最小を除く騰落率の平均は-0.4%でした。全体的には、1月8日(金)から15日(金)の週は“比較的弱かった”と言えると思います。

図:2021年1月8日(金)から1月15日(金)のジャンル横断騰落率ランキング


出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。