原油(WTI先物)上昇。引き続き、中東情勢の混迷などで。56.66ドル/バレル近辺で推移。 金反落。ドルインデックスの反発などで。1426.25ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。9月限は10715元/トン近辺で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。9月限は434.7元/バレル近辺で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで573.6ドル(前日比1.1ドル縮小)、円建てで1978円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(7月22日19時頃 先限) 金 4934円/g 白金 2956円/g 原油 39790円/kl ゴム 184.1円/kg とうもろこし 24680円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「米シェール主要地区の生産効率が徐々に向上」 前回は「パーミアン地区、まずはイラク超えか?」として、米シェール主要地区の中で生産量多いパーミアン地区とOPEC第2位の生産量であるイラクを比較しました。 今回は「米シェール主要地区の生産効率が徐々に向上」として、米シェール主要地区の新規1油井あたりの原油生産量に注目します。 米シェールに限らず、一定地域の原油生産量は、当該地域の“油井の数”と“1つの油井から生産される生産量”を乗じた値で全体像を把握することができます。 油井の数を“量”とすれば、1つの油井から生産される生産量は“質”と言えます。 今回注目する新規1油井あたりの原油生産量は、まさに米シェール主要地区の“質”にあたるものです。 生産が始まって数カ月以内の新しい油井1つから、どれだけの原油が生産されているのかがわかります。 以下のグラフは、EIA(米エネルギー省)が提唱する、全米の7つのシェール主要地区における、新規1油井あたりの原油生産量の平均を示しています。 シェール革命が起きたとされる2010年以降、増加が目立ちはじめましたが、2014年後半から2016年後半まで起きた原油価格の急落・低迷、いわゆる逆オイルショックの時は、勢いが増して増加しました。 原油価格の急落・低迷時でも、原油生産量を増やして収益を伸ばせるよう、飛躍的に技術革新が進んだことが伺えます。 新規1油井あたりの原油生産量の平均は、2016年10月に日量784バレルという過去最高をつけました。 その後、急速に進んだ生産効率の向上の波が一巡してやや減少するも、現在は、再び増加傾向にあります。 この新規1油井あたりの原油生産量の増加は、同地区の原油生産の増加に大きく貢献しているといえます。 逆オイルショックの時のような急増でなくとも、現在のように高水準かつ、徐々に上値を切りあげる状況が長く続けば、同地区の原油生産量の増加が息の長いものになる可能性があります。 図:米シェール主要地区における新規1油井あたりの原油生産量(7地区平均) 単位:バレル/日量
出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成
米シェール主要地区の生産効率が徐々に向上
このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)
楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。