週刊石油展望

著者:三浦 良平
 先週末のWTI原油は前週比1.29ドル安の63.73ドル、ブレント原油は同1.51ドル安の66.91ドルとなった。

 前週末の海外原油相場は小反発。コロナウイルス拡大懸念から上値が抑えられる中、米雇用統計が予想よりも低調であったことからドル安が進行、株高の支えもあり安値から切り返す展開となった。

 先週は米パイプライン大手がサイバー攻撃を受けたことで供給ひっ迫懸念から製品を中心に堅調に推移していたが、週後半には供給が開始したことで値を崩す展開となった。

 10日は小幅続伸。米大手のパイプラインがサイバー攻撃を受け、供給が一時停止したことが相場を押し上げる場面も見られたが、週末には大半のサービスが復旧する見通しとなったことや、インドでコロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず需要回復懸念も重しとなった。11日は続伸。パイプライン復旧見通しやOPECが今年前半の需要見通しを下方修正したことから序盤は売られる展開となったものの、足元の製品供給のひっ迫懸念から安値からは切り返した。12日は続伸。パイプラインの停止で米南東部で燃料不足が発生していることから堅調に推移した。EIA週報では原油在庫が減少していたが、米パイプラインの影響で本来の需給が認識できないことからあまり材料視されなかった。13日は反落。供給が停止していたパイプラインの供給が一部再開されたことで需給ひっ迫懸念が解消されるとの見方で大きく崩れる展開となった。またエネルギー消費大国であるインドで感染拡大が深刻化していることも圧迫要因となっている。



 海外原油は、ブレント原油で70ドルの大台突破できず目先調整局面入りの展開が予想される。米コロニアル・パイプラインのサイバー攻撃による供給停止は一過性の材料となり解決に向かっている。一足早く反落したNYダウの動きに後追いした形となるとみられ、ブレント原油で65ドル近辺までの調整安も想定される。一方、イスラエルがガザ地区への交戦を拡大させており中東地域の地政学的リスクには注意が必要だ。ワクチン接種の進展に伴う経済活動の拡大期待が相場を支えている形だが、インドを中心とした新型コロナの感染拡大の現実に加え、既に油価がコロナ前の水準を回復している現状から高値では利食い圧力の強い相場展開が継続すると予想される。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。