第15回、MACDその4、MACD2とは?


□まずはオリジナルMACDの計算式を思い出してくれ。

MACD=EMA(短期)-EMA(中期)
□実にシンプル。この計算式を難しいと言って避けていたら、小学生に笑われるというもの。MACDは二本の移動平均線(EMA)の差を折線グラフにしたもの。それだけ。 ■「シンプルです。シンプルイズベストです。」 □そゆこと。続いてシグナルの計算式
シグナル=MACDのn日EMA
※通常9日EMAを使う。 □余談だが、時々、『シグナルは単純移動平均線を使う』などと書いている本があるが、MACDの計算でEMAを使い、シグナルの計算でSMAを使うなど意味がわからない。やはり全てEMAで計算するのが本筋。 □続いてヒストグラムの計算式、この式をMACDの計算式と比較して理解してほしいぞ。
ヒストグラム=MACD-シグナル
ヒストグラムはMACDとシグナルの乖離(離れ具合)を棒グラフで表したもの。シグナルはMACDの移動平均線(EMA)だから要はMACDと移動平均線の乖離状況をあらわしたものがヒストグラム。実はヒストグラムとは棒グラフのことを意味する。 (※ヒストグラムはときにフォレストとか、MACDオシレーターとか呼ばれることもある。) □ここで一番理解してほしいことはまず、オリジナルMACDとMACD2は考え方が同じということ。わかるかな? ■「確かに二つの図を見ると、似てますね。」 □だろ?
オリジナルMACD・・・二本の移動平均線(EMA)の差の拡散・収縮を見て価格のトレンドを先読みするためのもの。
MACD2・・・・・・・・MACDとその移動平均線(EMA)であるシグナルとの差の拡散・収縮を見てMACDのトレンドを先読みするためのもの。

2.MACD2が先読みするもの

□アスプレイさんは考えた。二本の移動平均線(EMA)の差で価格のトレンドが先読みできるなら、MACDとその移動平均線(EMA)の差でMACDの動きを先読みできるんじゃいかと。 ■「なるほど。」 □例えば、MACDとシグナルがデッドクロスするとしたら、その前にヒストグラムは最も開いた状態から徐々にゼロに近付いていく。それがデッドクロスの予兆だ。 ※MACDとシグナルの差(=ヒストグラム)はデッドクロスに向けて、どんどん縮小していく。 ■「当たり前ですね。くっついていかないとクロスが出来ません。」
MACDの上昇力がMAXの時、MACDとシグナルの差であるヒストグラムは最大になる。
MACDの下降力がMAXの時、MACDとシグナルの差であるヒストグラムはマイナス方向で最大になる。

3.数値ゼロはクロスを意味する!?

□ここで重要ポイントを再確認する。ゼロとはいったいなんぞや?