第17回、MACDその6、『MACDの売りサイン買いサイン』 =中編=  そしてMACD活用の最大の極意!

まずは、ヒストグラムを眺める。ヒストグラムのボトムアウト・ピークアウトで1ベルが鳴った。

■「皆さん、席についてください。コンピューター画面にご注目を!って時期ですね。」

□小さな山や谷をヒストグラムが繰り返しているときはもみ合い相場。ということで、そのときは仕掛けない。騙しが少ないのは、大きな谷のボトムアウト、大きな山のピークアウトの時。

そして、その後MACDとシグナルがクロスする。ここが2ベル。開演の合図。ここでいよいよ仕掛ける。但し、ゴールデンクロスなら出来るだけ低い値位置、デッドクロスなら出来るだけ高い値位置が望ましい。中途半端な位置でのクロスは騙しが多い。

その点に気を付けながら仕掛ける。仕掛けた時にはリスクラインの設定を忘れない。

■「直近の最高値・最安値ですね。」

□よく分かってるね。そのとおり、そして、ここからが大事だが、一般の投資家は、仕掛けるとリスクライン、目標ラインのことだけに頭が集中し、後のことが頭に入らない。

■「ちょっと待ってください。仕掛けました。もし逆に行ったらここで損切りします、思惑どおり動いたらここで利益を確定します。それが全てでしょ?後・・・何が必要だと?」

□プロセスじゃよ。プロセスのことを考えているか考えていないかでトップトレーダーかどうかが決まる。

■「プロセス?おっしゃってる意味がわかりません。そこのところもっと詳しく。」

□例えば、MACDとシグナルのゴールデンクロスで買ったとする。リスクラインと目標ラインを設定したとする。
(※目標ラインは具体的価格ではなく、テクニカル指標のサインで決めることが多い。)

□で、今買ったところの近辺で値段がうろちょろしている。さてどうする?

■「どうするって、リスクラインと目標ラインを決めているんですから、後はじっくりと待つしかないと。」

□もちろん、その考え方は間違いではない。しかし、MACDではプロセスを検証出来るのだよ。

■「どうやって?」

□正しいトレードであれば、買った後にMACDはどんどん上昇していきやがてゼロラインをクロスする。シグナルもそれに遅れてどんどん上昇していき、やがてゼロラインをクロスする。そういった動きが見られれば、そのトレードは正解。その動きが見られなかったり、もたついていると、それは失敗だったかもしれないと見抜けるわけだ。

■「なるほど。」

□失敗だったかもしれないときに、いつまでもだらだらと持ち続ける必要はない。損が少ないうちに早めに仕切ることも肝心だ。

■「なるほど、それは正論。」

□それでは整理するぞ。
まず、ヒストグラムの増減(天井打ち・底打ち)は予兆。試し玉を入れるかどうか。続いてMACDとシグナルのクロス。ここで本格的に仕掛ける。その仕掛けが正解だったら、その後MACDがゼロラインをクロスし、続いてシグナルがゼロラインをクロスする。もし、いつまでたってもMACDがゼロラインに達しそうもないとき、シグナルがもたもたしているとき、それは騙しの可能性が大なので早めに手じまう。これが全体像だ。

■「わかりやすい。ありがとうございました。これでMACDも免許皆伝ですね。」

□まだまだ続くが山は越えた。

■「感慨深いです。お疲れさまでした。」