第35回、一目均衡表その6、「基準線を極める!」

9、移動平均線が上昇・下降する条件 

□ついでに余談だが、移動平均線が上昇する下降するということに関しても確認しておこう。これはすでにこの講座の移動平均線の回に勉強したがね。 ■しましたっけ? □移動平均はどういうときに上昇し、どういうときに下降する? ■それは本日の価格が高かったときに上昇し、安かったときに下降するのでは? □何に比べて高かったら上昇し、何に比べて安かったら下降するのかな? ■あ、それは昨日の価格・・・いや違った、昨日の平均値と比べてじゃないですか? □零点!やり直し。 ■あちゃ。 □たとえば5日移動平均線を考えてご覧。本日の移動平均線が上昇するかどうかは、本日の価格が消えていく5日前の価格と比べて高いか安いかで決まる。それだけ。下図で言えば、FがAより大きければ上昇、FがAより小さければ下降する。 図 □確かに上昇トレンドが続けば、5日前の価格より本日の価格の方が高くなるだろう。下降トレンドが続けば、5日前の価格より本日の価格の方が低くなるだろう。しかし、たまたま、5日前に1日だけ異常な安値があったとする。今日の価格は昨日の値段と比べて変わりなかったとしても、5日前の値段が消えていっただけで、移動平均線は大きく上昇する。ここら辺に移動平均線の問題がある。それに比べて半値線は実に奥が深い。 ■ですね。 □基準線が横ばい状態とする。それは高値と安値が変わってないことを意味する。長期横ばいが続いた後で、基準線が上昇したり下降したりしたら、それはどんなことが想定されると思う?  

10、もみあい放れを表わす半値線の上昇・下降 

□実は半値線である一目均衡表の各線(遅行スパンを除く4本の線)は・・・相場を分析する上で大きな大きな武器となる。 ■そうなんですか?考えたこともありませんでした。 □下の図を見てご覧、価格がもみあい状態になると基準線は横ばいになる。これが半値線の特徴だったね?真ん中の横にひかれた緑の点線が基準線だ。 図 ■そうですね。最高値と最安値が変わらない限り、その半値も変わりませんからね。 □逆に言えば、長い間基準線が横ばいしていることがもみ合いが続いていることの象徴となる。 ■ですね。 □だが、いつの日か横ばいしていた基準線が上昇か下降を始める。 ■そりゃそうですね。永遠にもみあいなんてありえませんから。 □その動き出しが、実は新高値更新か新安値更新の可能性が高い ■あっ。そうか。 □これこそもみあい放れの典型パターン。あるレンジで長い間もみあっていた相場が新高値を更新して上昇していく。あるレンジで長い間もみあっていた相場が新安値を更新して下降していく。それが・・・半値線の動きを見ているだけで、浮き彫り!になる。 ■なるほど。基準線が横ばいということは、最高値と最安値が変わらないことの裏付け。その基準線が動きだすということは、新高値を更新しているか新安値を更新しているかということですね。
【もみあい放れの発見】 ・基準線が長い間横ばい状態となるのはもみあい状態の象徴である。 ・その基準線が上昇・下降を始めたとしたらそれは新高値を更新した、新安値を更新した可能性が高い。 ・ということはそれがもみあい放れの発見になる。
もちろん26日前の価格が最高値か最安値だった場合は、それが消えることにより基準線が動くというケースがあるが、それはちょっと見ればすぐわかる。それ以外のケースで基準線が動くのは新高値・新安値を付けた場合のみ。だから基準線が動いたというだけで、新高値(新安値)を更新していることがわかり、もみあい放れを発見出来るのだよ。 ■なるほど、だから相場分析する上での大きな武器になるわけですね。相場分析においては新高値更新、新安値更新というのは一番重要なイベントですからね。しかも長期もみあいの後にレンジを抜けたとなると、これは最大の売買サインです。 □そういうことだ。半値線の各線の動きはもみ合い放れを教えてくれる。勉強すれば勉強するほど、一目均衡表は深い。勉強していろいろなことがわかってくるのは楽しいだろ? ■ですね。時間がたつのを忘れます。 □と言っても、永久にやり続けるわけにはいかないので・・・本日はここまで。次回は一目均衡表分析で非常に大切な「均衡表の好転・逆転」だ。