第37回、一目均衡表その8、「一目均衡表最大の売買シグナル、均衡表の好転・逆転とは?中編、もみあい相場での仕掛け方」

■もみあい放れとは?

□もみあい中の最高値を勢いを伴ってあきらかに突破すること。もみあい中の最安値を勢いを伴ってあきらかに割り込むこと。それをもみあい放れと言う。そのとき放れた方向に価格は大きく動いていくという傾向がある。もみあい期間が長いほど一般的にそのあとの変動も大きい。もみあい中にエネルギーを蓄え、いよいよ新しいトレンドが誕生するというのがもみあい放れだ。

■なるほど。

□だが、もみあい放れがわかるのはずいぶん遅い。なにしろそれがはっきりとわかるのはもみあい中の最高値をはっきりと更新したとき、もみあい中の最安値をはっきりと下回ったときなんだからね。

■そこから買ったり売ったりしても遅すぎることがありますね。

□そのとおり。そこで、一目均衡表が役立つ。もみあい中には転換線と基準線が何度もクロスする。ほとんどが騙しだが、もみあい放れの前の最後のクロスだけは騙しではなく、正解となる。

■そうか。そうですね。

□一目均衡表はもみあいの中心を教えてくれると先ほど解説した。それを参考に先ほどの図からもみあい放れの兆候を読み取るんだ。

■どうやって?

□中心線から上がった分だけ、その後その中心線から下がり、下がった分だけ上がる。これがもみあいが続いている状態。上がった分だけ下がらない、下がった分だけ上がらないとなると、それはもうもみあいの終了を予兆している。そして、そのもみあい放れも、「均衡表の好転・逆転」を起点としておこりやすいのだよ。

■げっ。そうなんですか。

□下の図をよく見てごらん。まず、もみあいが続くと転換線と基準線がクロスする場面がたくさんあるのがわかるね。黄色い丸の部分だ。通常、もみあい中のクロスは、基準線はほぼ横ばい。その横ばいの基準線を転換線がクロスしていくのだが、クロスした後、転換線は、短期間でもみあいの中心に向けて動きを修正することになる。図を確認してごらん。

図

■確かに。

□ところが最後の黄色の大きな円で囲まれたところを見てごらん。ここは今までのクロスとは全然違う。均衡表が好転した後、転換線は力強く上昇し、基準線も遅れて上昇を始めている。しかもある程度の間隔を保ちながらしっかりとした右肩上がりの線になっている。

■ですね。

□この均衡表の好転がもみあい放れを予兆し、その後、大きな上昇トレンドにつながっている。

  【もみあい時の仕掛け方その②】均衡表の好転・逆転編 1、もみあい中の基準線と転換線のクロスを探す。 2、通常、基準線はほぼ横ばい、その横ばいの基準線を転換線が下から上へ、上から下へとクロスを繰り返す。 3、クロスした後、短期間で転換線が基準線に向かって動き出す。(もみあい継続の印) 4、何度目かのクロスの後は、転換線が基準線に向けて戻らず間隔を広げていく。(もみあい終了の予兆) 5、基準線が上昇(下降)しだしたら、もみあい放れにつながるサイン。 ※価格が基準線まで下がり、基準線を踏み台にして上昇という基本パターンもあり。(価格が基準線まで上がり、基準線に頭を押えられて下降という基本パターンもあり。)  
□ちょっと補足しておこう。均衡表の好転・逆転の後、基準線と転換線が間隔を広げていくことが新しいトレンドの誕生を予兆する。そして上昇トレンドなら基準線と転換線がどちらも上昇しながら間隔を広げていく。下降トレンドなら基準線と転換線がどちらも下降しながら間隔を広げていく。二線の間隔と併せて向きも大事だ。 ■了解です。 □そして、均衡表の好転から上放れるときのひとつのパターンとして、上昇し始めた価格が一度基準線のところまで下がり、基準線に跳ね返されて一気に上昇していくというパターンがある。これを「基準線を踏み台にして上放れる」と言う。逆に均衡表の逆転から下放れるときは、下降し始めた価格が一度基準線のところまで上がり、基準線に跳ね返されて一気に下降していくというパターンがある。これを「基準線に頭を押えられて下放れる」と言う。必ずではないが、よくあるパターンなのでおぼえておこう。 ■なるほど、「基準線を踏み台にして・・・」はある意味で「中心から上がった分だけ、その後中心から下がらなかった」というもみあい終了の予兆でもありますね。だから上放れる。「基準線に頭を押えられて・・・」は「中心から下がった分だけ、その後中心から上がらなかった」というもみあい終了の予兆となります。だから、下放れると。 □そういうこと。 ■勉強になります。 □ということで、「均衡表の好転・逆転とは?中編、もみあい相場での仕掛け方」はこれにて終了。次回はいよいよ、均衡表の好転・逆転とは、後編だ。