第41回、一目均衡表その12、「一目均衡表最大の謎、『雲』を解析する!前編」

 第12章 雲を極める 

1、世間一般的に言われる雲の役割 

□さて、ムサシ君、君が「雲」に関して知っていることをまず列挙して御覧。 ■もちろん予習してきましたよ。 「価格が雲に近づくと跳ね返されやすい。」「雲の中に入るともみあいになりやすい。」「雲を上に突き抜けると、そのまま大きく上昇。雲を下に突き抜けると、そのまま大きく下落。」「雲が分厚いと跳ね返されやすく、薄いとすぐに突き抜けやすい。」「雲のねじれの部分が変化日となる」・・・ですかね。
【世間一般に言われる雲の見方】 1、価格が雲に近づくと跳ね返されやすい。(雲が抵抗線・支持線となる) 2、雲の中に入るともみあいになりやすい。 3、雲を上に突き抜けると、そのまま大きく上昇。雲を下に突き抜けると、そのまま大きく下落。 4、雲が分厚いと跳ね返されやすく、薄いとすぐに突き抜けやすい。(雲の厚さが抵抗の強さに通じる) 5、雲のねじれの部分が変化日となる。  
□よく勉強している。ただ、この中には正しいものと怪しいものがある。 ■怪しいものがあるんですね。 □それを見極めるために、1番から5番まで、それぞれ、その理由を述べよ。 ■理由?理由って? □何故、価格は雲に近づくと跳ね返されやすいのか?雲の中に入ると何故もみあいになりやすいのか?などだよ。 ■そんなこと考えたこともありませんでした。それにそんなこと書いている本も見たことがないです。でも、理由がわからなくてもチャートを見ていると確かに上記のとおりの動きをしてますから、・・・間違いないと思います。 □ふむ。騙されやすい性格だね。こういう話を教えてあげよう。CD分析というのがあってね。半透明のCDをトンカチで一撃する。するとCDにひびが入る。それをチャート上にうまく合わせると、そのヒビが見事に天底を示すそうだ。 ■そんな馬鹿な。 □いくつかの都合のいいチャートを見て、確かにそうなっているというだけで信じる人はCD分析でさえ信じるだろうね。それがきみだ。我々テクニシャンは何故そうなるかを突き詰めなければいけないのだよ。違うかね? ■参りました。そのとおりです。 □では順に勉強していくが、その前に基本をおさらいしたい。一目均衡表の各線は短期・中期・長期の売り方と買い方の力関係を分析し、それぞれの線がその均衡点を示す。 ■短期が9日(本)、中期が26日(本)、長期が52日(本)でしたね。 □その数字にも意味がある。一目均衡表の基本数値に関しては後日たっぷり研究するが、例えば週足で言えば、9週は2か月、26週は半年、52週は1年を表わす。 ■なるほど、重要な節目を示していますね。 □転換線は短期の相場水準を表わし、基準線は中期の相場水準を表わし、先行スパン2は長期の相場水準を表わす。ここまではわかりやすい。 ■はい。相場水準とはその間の値動きの中心部分のことですね。 □そうだ。そして、先行スパン1は短中期の相場水準を表わし、遅行スパンは現在の価格をずらしただけ。ここまでいいかな? ■先行スパン1の「短中期の相場水準」ということばが前回から聞きなれませんが、短期の相場水準と中期の相場水準の中間という意味ですね。 □そうだ。そこまで確認して話を進めるぞ。まずは「価格が雲に近づくと跳ね返されやすい。」という話から。 ■はい。