第5回、移動平均線 その1、『 移動平均線の役割 』



■「え?考えたこともなかった。テクニカル分析の移動平均線では5日の平均値を本日のところに描きますね?何故ですか?」

□それを考えてみろと言っている。

■「無理です。考えたこともない。」

□そこら辺が「使えない」テクニカル分析ばかり勉強している証拠なのだよ。表面的に「ゴールデンクロスは買い、デッドクロスは売り」なんて覚えて、それだけで勝てるほどトレードは甘くないぞ。

■「参りました。講師、教えてください。ひょっとしたら某有名人気アナリストよりも講師の方が、優れているところがないことはないことはないことは・・・ないかもしれないので。」

□もういい。他人と比較されてもうれしくない。

□では解説してしんぜよう。例えば20日移動平均線を例にとる。
20日移動平均線とは、過去20日間の平均値を現在の日付の位置に描いてつなげていくもの。つまり過去20日間の平均値と当日の価格を比較するところに意味がある。

ムサシ君、もうわかるだろう。過去20日間の平均値と本日の価格を比較して何がわかる?

■「あ、そうか。過去20日間に買った人、売った人が、平均してどれくらい儲けているか損しているかがわかるんですね。」

□そゆこと!

例えば20日移動平均線で本日の値が1000円だったとする。そして本日の終値が1200円だったとする。すると過去20日間で買っていた人は平均的に200円儲けている、売っていた人は200円損しているということがわかる。それが移動平均線の本質じゃよ。

■「なるほど。」

□そしてゴールデンクロスとは、それまで平均的にマイナスだった「買い方」がプラスに転じる分岐点のこと。逆にデッドクロスとは、それまで平均的にプラスだった「買い方」がマイナスに転じる分岐点のことだ。

逆に言うと、ゴールデンクロスは、それまで平均的にプラスだった「売り方」がマイナスに転じる分岐点、デッドクロスとは、それまで平均的にマイナスだった「売り方」がプラスに転じる分岐点とも言える。

■「なるほど、なるほど。」

【買い方にとってのゴールデンクロス・デッドクロス】 ・ゴールデンクロスとは、それまで平均的にマイナスだった買い方がプラスに転じる分岐点のこと。 ・デッドクロスとは、それまで平均的にプラスだった買い方がマイナスに転じる分岐点のこと。 【売り方にとってのゴールデンクロス・デッドクロス】 ・ゴールデンクロスは、それまで平均的にプラスだった売り方がマイナスに転じる分岐点のこと、 ・デッドクロスとは、それまで平均的にマイナスだった売り方がプラスに転じる分岐点のこと。
□例えばムサシ君、きみが買った後、価格が下がっていたとする。どんな気持ちだ? ■「そりゃ不安ですよ。思惑が外れているわけですから。早く損切りした方がいいんじゃないかと心配になりますね。」 □だろ。じゃあ、そこから価格が回復して、きみが買った価格を上回ったらどんな気持ちだ? ■「そりゃ。うれしいに決まっているじゃないですか。やっぱり自分の読みは正しかったんだと。どこまで上昇するか楽しみになりますよ。」 □だろ、だろ?つまり、価格がマイナスなゾーンにいるかプラスのゾーンにいるかで投資家の気持ちは全然違ってくる。投資家が心理的に強気になる分岐点がゴールデンクロスで、投資家が弱気になる分岐点がデッドクロスなのじゃよ。だからゴールデンクロスが買いサイン、デッドクロスが売りサインになるわけじゃ。 ■「深い!講師、そんな解説しているところほとんどないですよ。」 □ま、ないことはないと思うが、少ないのは事実。そこら辺を押さえないことにはゴールデンクロス・デッドクロスは正しく理解出来ない。ただし、ゴールデンクロス・デッドクロスに関してもこれだけではまだまだ不十分、まだまだ話したいことがたっぷりあるが、今日はこれくらいにする。移動平均線の話はまだまだ続く。長いぞ。 ■SMAPの芸歴みたいですね。今年で24年目だそうです。長いですよね。それにしても紅白歌合戦の大トリは見事でしたね。大トリを単純移動平均線男が勤めるなんて、まさにテクニカル分析の時代ですね。 □ほんとに関係ないから!