3、価格決定の真実とチャート分析の使い方
□そうだ。これから先、上がるか下がるかが100%読めるときなどない、ということは投資家なら誰でも知っていること。しかし、95%の確率で上がるとか、90%以上の確率で上がるとかいう時はあるんじゃないかと思っている人が多い。そしてそういうときを必死で探している。 ■年末に向けて間違いなく上がるよ、とか、間違いなく下がるよとかいう話が巷では飛び交っていますが、90%以上の確率でそうなると期待している人がいますね。 □実は90%や80%などない、70%もなかなかないということをはっきりと認識してほしい。 ■ないんですね。 □価格というのは買方と売方のバランスで現在の値段が決まっている。これをわかりやすく言うとこれから先上がると思う人と下がると思う人とが50%50%だから今の値段になっているのだよ。 ■なるほど、これは真理ですね。 □そのことをわかっていない人が多い。今1000円している株があったとして、企業業績や取り巻く経済環境から来年には必ず1300円になるだろうなどという予想が時々ある。それがもし、プロが分析すれば来年には1300円になるということは自明の理だとしよう。それなら既に現在その会社の株は1300円近辺まで買われているはずなのだよ。 ■あ、そうか。来年1300円になるってことがわかっているプロなら、今の価格が1200円だったとしてもどんどん買うはずですね。 □当然買うはずだ。で、どこで買わなくなるかというと価格が1300円に近づいたときだ。それにも関わらず今の価格が1000円だということは、1300円になると思っている人もいるが、ここから下がると思っている人もいて、それらの人の意見を集約すると1000円が妥当ということになったということ。 ■確かに。とすると、これから先、上がる下がるが相当高い確率で間違いなく読めるなんてときはないんですね。 □ない。ないにも関わらず、ときに90%以上の確率で読めるときがあると信じ、今がそのときだと勘違いして仕掛ける。これが一番こわいこと。大失敗はそのときに起こる。 ■気をつけます。 □ほとんどのケースでこれから先上がるか下がるかはヒフティヒフティ。しかし、ほんのときたまバランスが崩れて、やや買方有利、やや売方有利となる瞬間がある。その状態をエッジがあるという。しかし、エッジがあると言っても、80%90%の状況などではないのだから、相当逆方向にいく可能性があるということを理解してトレードしなければいけない。 ■相当逆方向に行っても、大数の法則が働くので最終的には勝てるということですね。それなら安心です。 □そういうこと。とすると、どうやってそのエッジがある状況を見つけるかということがポイントになる。そこで登場するのがチャート分析なのだよ。 ■なるほど。 □チャート分析で将来のことが読めるようになると思ったら大間違いと前回説明した。 ■将来のことはわからないけど、現状分析なら出来る。そして現状分析の中で買いにエッジがあるとか、売りにエッジがあるとかいったタイミングを見つけ出すんですね。 □そういうこと。そして、そのエッジを見極めるのに最適なのが、これから説明する移動平均線大循環分析。ここまで理解してもらってようやく移動平均線大循環分析の話に入れる。いよいよ、次回から本題だ。 ■長い前ふりでした。 □でも、実はこのことがとても大切なのだよ。わかるだろ? ■わかります。 □大数の法則を制するものがトレードを制する。 ■投資の中の唯一の必勝法、「エッジのあるときに仕掛けて大数の法則で勝つ!」 ようやく、チャート分析の正しい考え方がわかるようになりました。 □ということで本日はここまで。 ■ありがとうございました。 □第2部第22回講義終了。 ■起立、礼! □本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。 本日の単位数2 累計単位数44 中級テクニシャンまで後56単位! 小次郎講師のチャート情報局 https://media-kojirokousi.com/ 小次郎講師の投資大学 https://www.youtube.com/channel/UCG7FPicHPJXg6romhe0t92g