小次郎講師の移動平均線大循環分析徹底解説、「チャート分析とは?」

2、大数の法則を使って勝つ

□だからそれを利用すれば、確実に勝つ事が出来る。たとえばコイントスで表か裏を予想して、当たったら2倍、はずれたら没収という賭けがあったとする。このケース通常は勝つか負けるかは2分の1の確率だからエッジがないが、コインが少しだけゆがんでいて表が出る確率が55%だったとする。 ■ということは裏が出る確率が45%ですね。 □このようなケースではムサシ君はどちらに賭ける? ■それは表に決まってますよ。表の方が確率的に有利なんですから。 □しかし、裏が出る確率も45%ある。45%というのは相当大きい。ムサシ君が有利だと思って表に賭けても負けることがしばしばある。 ■でしょうね。 □当たったら1万円増える、外れたら1万円損する賭けだと思って欲しい。ムサシ君この賭けをするかい? ■うーん、1万円ですか。1万円って僕にはぎりぎりの金額だから、負けたときのことを考えるとなかなか出来ないですね。 □だね。この賭けを1回だけしたなら、相当の確率で負けることもある。しかし、1000回この賭けをすると、究めて550回近く勝ち、450回近く負ける。10000回すると、きわめて5500回に近く勝ち、4500回に近く負ける。ということは5500万円増え、4500万損するということ。差引1000万の利益となる。つまり、数を増やしていけば、表に賭けることは必勝法となる。 ■なるほど。凄い。 □先ほども言ったが、大数の法則は数学的に証明されている。だから選挙の出口調査とかに使われる。選挙の出口調査など投票者全員にしているわけではない。ごく一部の人にすぎないのだけど、そこで示された得票率は、最終結果と大きくは違わないのだよ。 ■だから、選挙速報が始まった瞬間に開票率0%で当確なんて出るんですね。 □だね。それからテレビの資料率調査。テレビの視聴率を調べる機械が設置されているのは、関東・関西でそれぞれ600世帯程度。それで視聴率が30%だとか、一桁だったとか、テレビ業界は一喜一憂している。 ■600世帯から出てきた結果は実際の世帯が何百万世帯だとしても、変わらないんですね。 □そういうこと。それらに大数の法則が使われていると思うと、いかに大数の法則が間違いないものかがわかる。 ■ですね。驚きました。 □だとしたら、投資においても大数の法則を使わない手はない。つまり確率的に有利な方に賭けていれば、最終的には必ず勝つ事が出来る。これが投資における唯一の必勝法なのだよ。これから先、株価が上がるか下がるかにはどんな時でも絶対はない。その不確実な世界の中で、「確率的に有利な方に賭けていれば、やがて大数の法則が働き、最終的には勝てる」というのが唯一絶対確実な話なのだよ。 ■なるほど、説得力あります。 □但し、前回の繰り返しになるが、勝率だけで、これを意識してはいけない。勝つ確率と勝ったときの利益を、負ける確率と負けたときの損失と比較して、有利な状況、このことをエッジがあると言う。このエッジがあるときに、エッジがある方向、つまり買いにエッジがあるなら買い、売りにエッジがあるなら売りをする。そして当たり外れの中で最終的な利益を取る。 ■そこに大数の法則を使うのですね。