小次郎講師の移動平均線大循環分析徹底解説、「資金管理編」

2、リスク管理とは?

□まずはリスクということに関して正しい理解をしよう。日本人はリスクというものを正しく理解していないために、リスクを悪いものと思ってしまう。そしてリスクを避けようとしてしまう。だから、金融商品でハイリスクのものとローリスクのものがあれば、ローリスクのものを選び、ローリスクのものとリスクのないものとを比べたらリスクのないものを選んでしまう。その結果、預けてもちっとも増えない銀行預金とか、借金1000兆円を超え、一番心配な国債とかを選んでしまう。 ■それではちっとも増えません。 □外人が金融商品を選ぶときも、もちろん、リスクがどれくらいあるかを調べる。それはリスクのないものを選ぶためではなく、自分の投資ニーズにあったリスクのある商品を選ぶため。つまり、自分の資産を増やそうと思うならリスクを取らなくては駄目だと言うことをよく知っている。 ■先ほど講師の話された「適切なリスクを取る」ということですね。 □リスクとリターンは裏返し。リスクがあるからリターンがある。日本人はどこかにリスクがなくて、ハイリターンの商品があるのではないかと探している。その結果、「うまい話がありますよ。」と声をかけられて投資詐欺に引っかかる。 ■アベノミクス以来、投資詐欺も増えているそうですね。 □凄く増えている。アベノミクスで「貯蓄から投資」などと言われて、投資には興味があるけど、損するは嫌という人たちが、うまい話にひっかかる。正しい投資知識があれば、ローリスクでハイリターンの商品はありえないとわかる。 ■確かに。 □リスクとリターンは裏表。リターンを得たいならリスクを取るのは当たり前。ところが限度を超えてリスクを取ると大失敗する。投資の世界で1年で10倍にしましたとか、何年で100倍にしましたとか、いう話が飛び交い、それを実現した人がヒーローとなっている。 ■いますいます。100万を何億に増やしたなんて話を良く聞きます。 □で、その手法を教えますなどという話が情報商材でよくある。 ■ありますあります。 □そういった話が一番聞いてはいけない話。なぜなら、それは明らかにリスクの取り過ぎで、もし事実儲かっていたとしたら、それはたまたま運良くいい相場に恵まれて偶然儲かったというだけ。そんな幸運は続かないし、ましてや真似出来るはずがない。 ■つまり、そんな手法を一般人が真似したら、あっという間に破産してしまうと。 □そういうこと。1年で10倍になります的な話を聞くと、それはもう詐欺に近いと思っていい。1年で10倍になるのなら、100万円を6年運用しただけで1兆円になるからね。 ■6年で1兆円、9年で1000兆円ですか?日本の借金が全部返せますね。 □確かに投資の世界では運良く10倍になるということはある。しかし、それは大きくリスクを取って、たまたま運に恵まれたというだけ。決してまねしてはいけない手法とわかる。 ■しかし、だからと言って銀行預金のように1年に0.1%というのでは魅力なさ過ぎですよね。 □ということでリスクは悪いものではない。「リスクはクスリ」と覚えよう。良薬は口に苦し。勝つためにはリスクを取らなければいけない。しかし、クスリには処方箋がある。限度を超えてクスリを飲み続けてたらどうなる? ■逆に身体を壊しちゃうでしょうね。 □だからこそ、適正リスクと言い続けている。 ■なるほど。ところで、ではどうやって1回の取引量を決めるんですか?