小次郎講師の徹底解説【テクニカル分析の重要性】

「新コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第5回


□皆さんこんにちは。小次郎講師です。


■助手のムサシです。宜しくお願いします。
 小次郎講師、新シリーズが始まって数回経ちまして、具体的なテクニカル指標の使い方をもっと知りたいなと僕思いました!

□ムサシ君やる気だねぇ。
 そう言うだろうと思って今日からテクニカル指標の使い方を取り上げてみようと思う。

■さすが小次郎講師。

□復習も兼ねた新シリーズということで、私の代名詞でもある「移動平均線大循環分析」を深く掘り下げていこう。
 その為にもまずはテクニカル分析の代表選手「移動平均線」について基礎からしっかり学んでいくぞ。

■はい!
 …と言っても小次郎講師、移動平均線なんて簡単過ぎやしませんか?
 みんな使ってますし。

□確かに、移動平均線自体は最もポピュラーなテクニカル指標だと言ってもいい。だが、有名だからこそ“なんとなく”見て、“なんとなく”使っている人が多いと言うのもこれまた事実。
 時にムサシ君、「平均」というのは分かると思うが、じゃあ「移動」という部分はどこから来ているか分かるかね?

■げ…!
 ただの平均値を集めた線だと思ってたので、そこまで考えたことありませんでした…

□そうだろう。ここに日本の個人投資家の弱点が浮き彫りになってくるんだ。
 そのテクニカル指標の「買いサイン」「売りサイン」しか知らず本質を理解していないから、いつまで経ってもチャート分析が上手くならない。
 そもそもそれだけで勝てたら、世の中は勝ち組投資家だらけはなず。
 自分の頭で考えて理解して実戦で使えて、初めてテクニカル指標は「有効な武器」となるんだ。

■み、耳が痛い。
 気持ちを入れ替えて一から頑張りますので、基礎から教えてください!
 (このままだとお説教が長くなりそうだぞ)

□よかろう。
 移動平均線の発祥は諸説あり、1920年代にアメリカで生まれたという説や、日本で同時期に同じような指標が生まれたという説が様々あるが、一般に広く知れ渡ることとなったのは、1960年にアメリカの有名アナリスト、ジョセフ・E・グランビルさんが『グランビルの法則』という自らの書籍の中で、移動平均線を細かに解説してからになる。

■60年近く前、と思うとともに意外と最近なんですね。

□テクニカル分析の隆盛自体が歴史的に見れば割と近年の話だからな。

■有名なテクニカル指標の発案者でまだまだ現役の人が多いのもそういうわけなんですね。

□私もその一人に仲間入りしたいものだ。

■小次郎講師ならきっとなれますよ!きっと!

□ムサシ君、気休めでもありがとう(汗;)
 さて話を戻すぞ。
 チャート分析の世界では「移動平均線に始まり、移動平均線に終わる。」なんて格言もあるぐらいだから、心して聞くように。

■了解です!

□まず移動平均線にはいくつか種類がある。このことを覚えて欲しい。
 その中でも特に大切なものが3つ。
 単純移動平均線、加重移動平均線、指数平滑移動平均線、だ。

■よく耳にするやつですね。

□アルファベットで表記されることもあるからそれも併せて覚えておこう。

 ・単純移動平均線=SMA
 ・加重移動平均線=WMA
 ・指数平滑移動平均線=EMA

■そして、一番メジャーなものはSMAだと。

□その通り。今日はまず一番シンプルな単純移動平均線から学んでいくぞ。
 指数平滑移動平均線についてはまた別の回で解説しよう。

■はい。
 ところで小次郎講師、「SMA」というのは何の略なんですか?

□良いところに気づいたぞムサシ君。「名は体を表す」とよく言うように、そこから知れば、もっともっとテクニカル指標に詳しくなれる。
 SMAは「Simple Moving Average」の頭文字をとったもの。文字通り「単純移動平均」となるわけだ。

■日本で移動平均線と言ったらまずコレですよね。

□その単純移動平均線の計算式から。

(直近の終値+1日前の終値+2日前の終値…+(N-1)日前の終値)÷ N

 これが例えば10日移動平均線だったら

(本日の終値+昨日の終値+2日前の終値…+9日前の終値)÷ 10

 ということになる。
 計算式、というと大げさに聞こえるかもしれないが、どうだい簡単だろう。

■平均値を求める計算、そのまんまですね。
 あれ、でも小次郎講師。1時間足や15分足などの場合はどう考えればいいんですか?

□その場合は「ロウソク足1本分」と考えれば良い。N本移動平均、と考えると同じ意味合いになる。