ゴム週間展望=期近が暴騰、海外投資家が買い越しへ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [10月16日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)  先限つなぎ足 10月10日〜10月13日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 RSS先限      241.0      260.2(13)   241.0(10)   253.0      + 12.0
  24年3月限      231.4      257.3(13)    230.8(10)   256.9      + 25.9
 TSR20    212.0      223.0(12)    212.0(10)   223.0      + 11.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 149.70円  前週末比 0.81 円安
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【前週までのレビュー】世界的に金利上昇が顕著になっており、商品相場にとって弱材
料となるため、ゴム相場にも売り圧力が強まるとみた。
【期近主導の上昇】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の3月限は、急騰した。10月12日に上海ゴムの
大幅高を手掛かりに買いが先行すると、9月15日に付けた一代の高値240.0円を
突破し、249.5円まで上昇した。翌13日には257.3円まで水準を引き上げ
た。また、期近10月限をみると、6日以降は約50円も暴騰し、6日時点はほぼ同ザ
ヤだった3月限とのサヤは、15円もの逆ザヤとなっている。
 期近が暴騰した背景には、産地の天候不順があるとされる。また、JPXゴムRSS
3号がもち合いとなっていた9月、タイオファーは約5.25バーツ、日本円は20円
超も上昇した。このあたり、今回の暴騰の要因になる。ただ、それでも、JPXゴムR
SS3号の期近の上昇は、上海ゴムや産地価格に比べて大きい。活発限月の3月限は、
6日にそれまで支持となっていた230円を割り込む場面もあった。9月第3週から海
外投資家が売り越しから買い越しに転じている。玉締めなど、期近を仕掛けた可能性も
ありそうだ。ゴム独自のファンダメンタルズに、期近が暴騰するほどの劇的な変化がな
いとすれば、急反落の可能性があり、注意したい。
【上海ゴムも一代の高値を更新】
 中秋節、国慶節の大型連休後、取引が再開された上海ゴムは、買いが先行する展開と
なっている。大型連休前の最後の取引となった9月28日を1万3890元で終える
と、連休後の9日は1万4000元台を回復した。その後、産地高などをもあり、12
日に1万4725元まで上昇すると、翌13日には1万4750元まで上昇し、9月4
日に付けた一代の高値1万4735元を更新した。ただ、ここから一段高となるほどの
ファンダメンタルズに大きな変化が出てくるかは疑問が残る。同水準で伸び悩むと、チ
ャート的には、ダブルトップ形成の可能性が出てきそうだ。
【中国にデフレ懸念が残る】
 13日に中国国家統計局が発表した9月の中国消費者物価指数(CPI)は前年同月
比変わらずとなった。8月は0.1%上昇だった。同時に発表された9月の生産者物価
指数(PPI)は、同2.5%の低下となった。前月の3.0%低下からは低下率が縮
小した。今年8月以降、中国政府や人民銀行(中央銀行)は、金融緩和などの景気刺激
策を実施してきた。ただ、物価上昇は限られており、依然としてデフレ懸念はありそう
だ。
【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、急騰した。9月は230〜240円前後のレ
ンジ取引となった。10月に入り、売りが優勢になると、6日には、これまで支持とな
っていた230円を下抜くと、227.8円まで水準を引き下げた。だが、同水準で支
持されると、11日には237.5円まで戻し、翌12日には上海ゴムの大幅高を手掛
かりに249.5円まで急騰し、9月14日に付けた一代の高値240.0円を更新し
た。13日も買いが先行し、256.9円まで上昇し、連日の一代の高値更新場面とな
った。
 買いが先行すれば、節目の260円が最初の関門になる。同水準を上抜くと、特に目
立った抵抗線も見当たらないことから、節目の265.0円や270.0円を意識した
展開になりそうだ。
 一方、反落となれば、節目の250円が支持になろう。同水準を下抜くと、12日に
値固めをせずに急騰したため、下げが加速し、245.0円や240.0円の節目を目
指し、売りが加速する可能性があるので注意したい。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムの動きに注目したい。中心限月の1月限は急伸となっているが、一代の高値
を更新したことで、目先の上値達成感が広がれば、調整安となるだろう。JPXゴムR
SS3号は、上げ幅が大きかっただけに、上海ゴムが急落となれば、売り圧力が強ま
る。
【相場予想レンジ】
 10月16〜20日のゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は230〜265円。
テクニカルの支持線は240.0円(節目)、抵抗線は260.0円(節目)。
 <当面の予定(イベント・経済統計)>
 16日 ユーロ圏貿易収支 2023年8月(EUROSTAT)
     米製造業景況指数 2023年10月(ニューヨーク連銀)
 17日 英雇用統計 2023年9月(国立統計局)
     独景況感指数 2023年10月(ZEW)
     米小売売上高 2023年9月(商務省)
     米鉱工業生産・設備稼働率 2023年9月(FRB)
     米企業在庫 2023年8月(商務省)
     対米証券投資 2023年8月(財務省)
 18日 中国国内総生産 2023年7-9月期(国家統計局)
     中国小売売上高 2023年9月(国家統計局)
     中国鉱工業生産 2023年9月(国家統計局)
     英消費者物価指数 2023年9月(国立統計局)
     ユーロ圏消費者物価指数 2023年9月確報(EUROSTAT)
     米住宅着工・許可件数 2023年9月(商務省)
     米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
 19日 貿易収支 2023年9月速報(財務省)
     中国住宅価格指数 2023年9月(国家統計局)
     ユーロ圏国際収支 2023年8月(ECB)
     米製造業景況指数 2023年10月(フィラデルフィア連銀)
     米新規失業保険申請件数(労働省)
     米中古住宅販売統計 2023年9月(全米不動産協会)
 20日 消費者物価指数 2023年9月(総務省)
     ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
     上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
     英小売売上高 2023年9月(国立統計局)
     独生産者物価指数 2023年9月(連邦統計庁)
     建玉明細報告(CFTC)

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