石油週間見通し=押し目底を探る展開、中東情勢の緊迫化続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油3月限は70ドル台前半のもみ合いから上抜ける
展開。目先は61.8%戻しの79.65ドル、80ドルの節目、さらには78.6%
戻しの82.74ドル辺りが上値目標となる。このままレンジアップするのか、打ち上
げ花火に終わるのかは1月末から2月上旬の値動きが決めそうだとした。

【NY原油は押し目底を探る展開】
 ニューヨーク原油3月限は1月29日の79.29ドルで戻り高値を付けた形とな
り、2月1日に73.70ドルの安値まで崩れた。前回の当欄で指摘した61.8%戻
しの79.65ドルには届かずに崩れた形となっており、また日柄的に満月だった26
日の翌営業日に戻り高値を付けることになった。
 チャート的にはどこまで下げ止まるのかが目先の焦点となる。昨年12月13日の安
値68.28ドルから前述の高値までの上げ幅の半値押し(73.78ドル近辺)をす
でに達成しており、目先の下値メドは61.8%押しの72.49ドル、78.6%押
しの70.64ドル、70ドルの節目などとなる。当然半値押しでこのまま上昇する可
能性もある。3日が下弦(ただし営業日ではない)のため、その近辺で押し目底を付け
る可能性を考えておきたい。ただ10日が新月となるため、そこまで下落ないし、もみ
合いの時間帯が続くシナリオもあり得る。

 材料的には、イスラエルがガザ停戦に合意したとの報道が流れたが、結局、誤報とさ
れており、逆にイスラエル国防相は避難民が集まるエジプト国境に近いガザ南部のラフ
ァへの本格攻撃を表明している。またヨルダンの米軍施設で米兵3人が死亡した親イラ
ン武装勢力による無人機攻撃への報復として、米軍がイラクとシリア国内の拠点を攻撃
することを承認したとの報道が流れており、中東地域の軍事的緊張はむしろ増してお
り、引き続き中東地域の地政学的リスクは懸念材料となる。

 産油国関係では、2月1日の石油輸出国機構(OPEC)プラスの合同閣僚監視委員
会(JMMC)では、昨年11月に決定した今年1月〜3月期にも日量220万バレル
の自主減産計画を維持することが決定した。次回会合は4月3日に開催される予定。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き3万8000ドル台の過去
最高値圏で高下している。
 ドルインデックスは1月中旬以降続いている103ポイントを中心としたもみ合いが
続いている。

【1月のOPEC産油量、前月比同41万バレル減の2633万バレル】
 ロイター通信によると、1月のOPECの原油生産量は日量2633万バレルと、前
月比同41万バレル減となり、前月比での減少幅としては昨年7月以来最大となった。
シャララ油田で操業が停止でリビア産が落ち込んだことが最大の理由だが、イラン産も
減産という。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である7月限はボリンジャーバンドの2シグマ(7万2190円辺
り)を超えていた1月29日の高値7万3750円から大きく崩れて、直近は21日の
移動平均線であるボリンジャーバンドの中心線(6万9140円辺り)を試している。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばい。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油3月限はボリンジャーバンドの2シグマ(77.38ドル辺り)を
超えていた1月29日の高値79.29ドルから大きく崩れて、直近はボリンジャーバ
ンドの中線(74.03ドル辺り)を試している。。

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