<金> NY金12月限は10月23日にかけて上値を探り、2772.6ドルをつけ指標限 月として史上最高値を更新したが、その後は反落に転じている。 連日の史上最高値更新後で相対力指数(RSI)が長期、短期共に70前後となり、 買われ過ぎの水準にあるうえ、米大統領選の投票日を11月5日に控えるなか、これま での上昇後の修正安局面と見られる。 また、米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測は根強いながらも、米雇用 情勢は強気を維持し賃金も上昇傾向を維持するなか、9月消費者物価指数(CPI)で は賃金が主な構成要素となるサービス部門の下げ渋りが確認出来たこともあり、11月 公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退していることが重石となってい る。 米国では賃金の上昇が続くなか、節約志向が高まりながらも9月の米小売売上高は事 前の市場予測を上回る伸びを見せるなど、旺盛な消費も続いている。また、10月の米 総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は前月を上回っており、高金利環境による米 経済への影響が限られている可能性を示唆している。 強気な経済指標は米経済の軟着陸(ソフトランディング)の可能性を高めながらも、 同時の追加利下げの見送り、または利下げ幅が限られるとの見通しを強めている。 ただ、一方では大統領選の不透明感や、中東情勢の緊迫化は安全資産としての金需要 を刺激する要因であるうえ、SPDRの金ETF残高は890トン台を維持するなど逃 避買い需要も根強いため、下値は堅いと予想される。 12月限は引き続き2700ドル台を維持する高もみとなりそうだ。 <銀> NY銀12月限は22日に3507セントまで値を伸ばしたものの、23日、24日 と続落し終値ベースで3400セントを割り込んでいる。 金の強い足取りに連動して値位置を切り上げながらも、金の地合いが軟化するに伴い 一気に崩れた形となっている。 安全資産としての需要の弱さから地合いが崩れた形となっているものの、金との連動 性が下値を支える要因になっているため底意も強そう。3400セントを前後する展開 か。 <白金> NY白金1月限は押し目買いを入れながら緩やかに地合いを切り上げ、24日に一時 的ながら1053.40ドルと1050ドル台に到達。今年7月17日以来の水準に達 した。ただ高値からは大きく値を落として取引を終え終値ベースでは1040ドルを割 り込んでいる。 金との連動性が意識されて買われながらも値を落としたところに白金市場の頭の重さ が窺われる。独自の買い支援材料に乏しいこともあり、1050ドルを上値抵抗線にし ての高下が想定される。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は24日の取引で大きく値を切り上げ一時は1173ドルま で浮上。高値からは値を落としながらも終値ベースで1163.90ドルと昨年12月 下旬以来の水準まで値を切り上げた。急激な上昇ながら閑散商いならではの大きな値動 きにとどまる可能性がある。縮小していた白金との値開きの修正が促されるなかでの 上昇とも見られるが、一過性の動きにとどまる可能性を考慮しておきたい。 MINKABU PRESS
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