プラチナ週間展望=もみ合い、ドル高が上値を抑える

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [12月16日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年 10 月限  12 月 9 日〜 12 月 13 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          12,809    13,428 (13)   12,702 ( 9)     13,271        +495
  銀           151.5     160.0 (12)    151.5 ( 9)      155.0        +2.0
 プラチナ       4,551     4,694 (13)    4,483 ( 9)      4,603         +53
 パラジウム     4,700     4,800 (12)    4,700 ( 9)      4,800        +100
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        12  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 2) 2,709.4     +49.8   | ドル・円    152.84      3.08 円安
  銀       ( 3) 3,161.9      +3.1   | 日経平均  39,470.44       +379.27
 プラチナ   ( 1)   940.7      +6.9   | NY原油 ( 1)  70.02         +2.82
 パラジウム ( 3)   991.50    +25.90  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 12日
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【前週のレビュー】
 プラチナは貿易摩擦に対する懸念などが圧迫要因、とした。
 プラチナは金堅調につれ高となる場面も見られたが、ドル高や予想以上の米生産者物
価指数(PPI)を受けて上げ一服となった。現物相場は2日以来の高値955.51
ドルを付けたのち、上げ一服となった。プラチナ先限は11月26日以来の高値
4694円を付けたのち、上げ一服となった。一方、パラジウムの現物相場は3日以来
の高値996.80ドルを付けたのち、上げ一服となった。
 11月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は22万7000人増となった。
事前予想の20万人増を上回ったが、失業率は4.1%から4.2%に上昇した。11
月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇し、前月の2.6%から伸びが
加速した。事前予想と一致した。11月の米生産者物価指数(PPI)は同3.0%上
昇した。前月の2.6%から伸びが加速し、上昇率は2023年2月以来最大となっ
た。事前予想の2.6%も上回った。一方、米新規失業保険申請件数は前週比1万
7000件増の24万2000件となった。事前予想は22万件だった。CMEのフェ
ドウォッチで、17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率は
96.7%(前週71.0%)となった。ただトランプ次期米政権の政策でインフレ高
止まりが見込まれており、来年の利下げの行方は不透明である。
 カナダ銀行は主要政策金利を0.50%ポイント引き下げ、3.25%とした。今後
の利下げについてはより緩やかなペースになるという見通しを示した。欧州中央銀行
(ECB)は中銀預金金利を0.25%ポイント引き下げ、3.00%とした。利下げ
は3会合連続で、今年4回目。ECBは声明で「大部分の基調インフレ指標はインフレ
率が理事会が中期的な目標とする2%近辺で持続的に安定すると示唆している」とし、
従来の「十分に制約的な政策」を維持するとの確約を削除した。
【南アのプラチナETF残高が減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、9日のロンドンで18.46トン(前
週末18.46トン)、12日のニューヨークで34.69トン(同34.69トン)
と変わらず、11日の南アで10.99トン(同11.08トン)に減少した。またパ
ラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.86トン(同3.86トン)と変わら
ず、ニューヨークで12.44トン(同12.97トン)に減少、南アで0.24トン
(同0.24トン)と変わらずとなった。南アのプラチナETF残高やニューヨークの
パラジウムETF残高が減少した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明
細報告によると、12月3日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは
2万0486枚(前週1万8660枚)に拡大、パラジウムの売り越しは5643枚
(同5652枚)に縮小した。
【中国は金融緩和方針に転換】
 11月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%上昇と前月の0.3%か
ら伸びが鈍化し、5カ月ぶりの低水準となった。事前予想は0.5%上昇。生産者物価
も同2.5%下落(前月2.9%下落)と引き続き下落した。景気対策の効果が限定的
であることが浮き彫りになった。また11月の中国の貿易統計によると、輸出は同
6.7%増と前月の12.7%増から鈍化し、事前予想の8.5%増も下回った。輸入
は同3.9%減少し、過去9カ月で最も弱い結果となった。前月は2.3%減、事前予
想は0.3%増だった。
 中国共産党の中央政治局常務委員会は来年、経済成長を支えるためにより積極的な財
政政策と併せて「適度に緩和的な」金融政策を導入すると発表した。2010年以来の
緩和に向けた政策転換となる。また中国共産党と政府は、2025年の経済運営方針を
決める中央経済工作会議で、景気底上げに向けて財政出動を拡大するとともに、金融緩
和を行う方針を決めた。「安定した経済成長を維持する必要がある」としたものの、具
体的な数値についての言及はなかった。
当面の予定(イベント・経済統計)
16日 ●南ア(和解の日)
    機械受注 2024年10月(内閣府)
    中国住宅価格指数 2024年11月(国家統計局)
    中国小売売上高 2024年11月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2024年11月(国家統計局)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年12月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年12月速報(Markit)
    米製造業景況指数 2024年12月(ニューヨーク連銀)
17日 英雇用統計 2024年11月(国立統計局)
    独景況感指数 2024年12月(ifo)
    独景況感指数 2024年12月(ZEW)
    ユーロ圏貿易収支 2024年10月(EUROSTAT)
    米小売売上高 2024年11月(商務省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2024年11月(FRB)
    米企業在庫 2024年10月(商務省)
    米連邦公開市場委員会(FRB、18日まで)
18日 貿易収支 2024年11月速報(財務省)
    金融政策決定会合(日本銀行、19日まで)
    英消費者物価指数 2024年11月(国立統計局)
    ユーロ圏消費者物価指数 2024年11月確報(EUROSTAT)
    米経常収支 2024年7-9月期(商務省)
    米住宅着工・許可件数 2024年11月(商務省)
    米FOMC声明文公表(FRB)
19日 金融市場調節方針公表(日本銀行)
    英政策金利公表(BOE)
    米国内総生産 2024年7-9月期確報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2024年12月(フィラデルフィア連銀)
    米中古住宅販売統計 2024年11月(全米不動産協会)
    対米証券投資 2024年10月(財務省)
20日 消費者物価指数 2024年11月(総務省)
    英小売売上高 2024年11月(国立統計局)
    米個人所得・支出 2024年11月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2024年12月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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